
1970年の大阪万博で、はじめて「戦争を知らない子どもたち」という歌が歌われました。高度経済成長を目指し続けた時代でしたが、ベトナム戦争の真っただ中でもあり、反戦歌として歌われました。そして、経済成長を遂げたもののその綻びが表れ、先に希望が見えにくい時代になりました。
そして今、日本では、70代以下のすべての人が戦争を知らない時代です。私たち日本人は、戦争がないことが当たり前の社会に生きていますが、世界を見渡すと、各地で紛争が絶えず、ウクライナ、パレスチナ、そして、今、イランでも紛争が始まっています。
世界各地で「平和を知らない子どもたち」が増え続けている現在、力で勝ち取る“正義”が横行する中で、平和な社会に生きることは所与の権利ではないことを実感しています。
今こそ、私たち人間も自然の中の一部であることを謙虚に受け止め、個人は市民として、企業は企業市民として、即ち、地球・社会の一員としての、未来にバトンを渡すものとしての責任を持って、暮らしに仕事に取り組んでいくために、当協会として、頼りにされるコーディネーターの役割を果たせるよう努めてまいります。
フィランソロピーは、民主主義社会を創る根幹です。自分と異なる価値観も受け入れつつ、自ら考え対話を重ね、平和で心豊かな社会づくりをめざすことが求められています。一人ひとりの力はたとえ小さくとも、連携・連帯することで、共に助け合い支えあう共生社会を創ることは可能であると信じています。
最近、周囲には、温かい眼差しで心を配り、未来を見据えた生き様を見せてくださる方、社会課題をビジネスを通じて解決したい、と果敢に挑戦する経営者、深刻化・複雑化する社会課題にしっかり向き合い、毅然とその解決に向かって努力し続けているNPOの人たちに出会うことも多く、頼もしさを感じています。その輪を拡げてまいりたいと思います。
今年度も、忘れられがちな人たち、見落としがちな社会課題にもしっかりと向き合い、皆様の共感を得ながら事業を進めてまいります。首都圏だけでなく全国各地にも出向き、企業・行政・NPO・学校等と連携し、地元の人たちの参画も心がけた事業を展開してまいる所存です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
2026年 4月 1日
公益社団法人日本フィランソロピー協会
理事長 髙橋 陽子