理事長ごあいさつ

令和最初の新年、そして、オリンピック・パラリンピックの年を迎えました。
地球環境の劣化を、頭ではなく、体で実感するような昨今の自然災害に、また、想像をはるかに超えた技術革新のスピードに、これからの私たちのあり方が、従来の延長線上にはないことを直感的に感じながら模索する日々が続いています。高度経済成長をけん引した1964年のオリンピックとは違い、持続可能な社会を創造するための新たな英知を確認し、私たち一人ひとりが、そのために必要なあり方の輪郭を描くものになればと思います。
 
当協会は、健全な民主主義社会の創造に向けて、個人の社会参加・社会貢献がその原点にあるという考えの下、企業の従業員はじめ、一人ひとりが社会を構成するかけがえのない一員として貢献するためのきっかけづくりを提供しています。
SDGs(Sustainable Development Goals)への関心が高まりを見せていますが、2020年度からは小学校において、中学校においては2021年度から、持続可能な社会づくりを目指して学習指導要領にSDGsを盛り込んだ教育が実施されます。
昨今、リベラルアーツが見直されつつあります。これは、単なる知識の構築としての教養を言うのではなく、さまざまな事象に対し、自分ならどうするのかという「自分事」化して行く作業そのものを指すように思います。だからこそ、今、持続可能で、信頼に基づいた豊かな社会づくりにおいて、リベラルアーツが重要視されているのではないでしょうか
 
当協会におきましても、リベラルアーツとしてフィランソロピーを捉えていただくための事業を進めてまいりたいと思います。SDGsの真髄である「誰も取り残さない社会」を近未来に実現するために、自分事と捉えて、次世代を担う子どもたちと共に考え、議論し、自らの仕事の中で、暮らしの中で行動するための事業を推進します。
具体的には、企業の従業員はじめとするステークホルダーの社会参加・社会貢献推進のための議論の場や機会を提供するために、セミナーや機関誌をはじめとした出版物の発行を拡充してまいります。
さらに、直接的に個人に働きかけるものとして、昨年より始めています「誕生日寄付」事業の推進をより広く働きかけてまいります。さらに、地域そのものを元気に豊かにするために、働きにくさをかかえる人たちと共に働く農業を、消費者や地域住民と共に支えながら地域活性化するモデル事業づくりに尽力したいと思います。
 
個人や企業による社会貢献活動は、良き企業・良き社会の基底を創るものとしての漢方薬です。そして、それが、一人ひとりの幸せな人生づくりにつながることを信じて、皆様と共に、スタッフ一同、明るく元気に取り組んでまいります。
2020年(令和2年)1月
 
公益社団法人日本フィランソロピー協会
 
理事長 髙橋 陽子
「理事長ごあいさつ」おわり