AmericanExpressAcademy2009
 
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開催終了
2009年3月12日(木)から14日(土)にかけて、当協会では、初めての試みとして「NPOで働く次世代リーダーのためのリーダーシップ研修」を実施しました。
環境・人権・国際協力・福祉など、様々な社会的課題を解決するためには、NPO・NGOによる専門的な取り組みと、産・官・学・NPO間のパートナーシップがますます重要となってきています。 しかし、国内に約36,000あるNPO・NGOは、その財政基盤が脆弱で、職員の研修やスキル向上を行なう余裕のある団体は極めて少なく、こうした状況がパートナーシップを推進する上での障害ともなっています。
今回の企画は、アメリカン・エキスプレス財団(本部:米国ニューヨーク市)からの支援を得て実現したもので、リーダーに必要とされるカリキュラムを組み3日間のセミナーを開催いたしました。 内容は、「リーダーシップというコンセプトの理解」、「リーダーとしての自覚・意識」、そして「リーダーとしての実行を支える実践スキル」という3つの柱によって構成され、講座による学びと、グループワークによる実践の二本立てで進行しました。
チームビルディング
研修生は、NPOスタッフ12名に加えて、内閣府、厚生労働省、文部科学省、国際協力機構の職員の方4名と学生4名が入った20名。研修のスタート時から、5名ずつの4チームに分かれて、チームビルディング・セッションを始める。
「日本経済新聞社のコラム『私の履歴書』を題材にした気づきのプログラム」
グループワークこれは、日経新聞出身の宮地勘司氏が社長を務める教育と探究社が担当。まず、グループメンバー全員が自分の子ども時代などお気に入りの写真を見せながら、これまでの人生の過程をグループメンバーに披露。 話す中で、気づいていなかった自分の思いや痛みを思いがけず自覚してしまう。聞く人たちにとっては、素のその人を知るきっかけとなり、人間同士の理解が始まるアイスブレイキングセッションである。その後、一人ひとりの『私の履歴書』執筆が始まる。皆、真剣に1,600字に自分の履歴書をまとめた。これで、ずっと前から知っているような仲間意識が生まれる。さあ、がんばろう。 その後、「講座」「グループワーク」「フィールドワーク」「課題プレゼンテーション」によって構成された研修カリキュラムが、相乗効果を発揮しながら進められた。

講座
米倉 誠一郎 氏
一橋大学イノベーション研究センター長・教授
米倉誠一郎氏初日の基礎講座では、世界経済の動向をマクロで捉える視点と、ソーシャル・イノベーションの可能性についてお話いただく。パラダイムを変革していく力はビジネスの分野だけでなく、NPOにとっても重要なパワーとなるということを学んだ。
2日目のリーダーシップ論では、リーダーとして仕事をする上で必要な能力について学ぶ。「誰もがリーダーになりうる。リーダーシップとは学ぶもの」という先生の論に、「眼からウロコ。基本的なことに改めて気づかされた」(研修生)。



高島 宏平 氏
オイシックス株式会社 代表取締役社長
高島宏平氏有機野菜の安全宅配サービスを提供しているオイシックス社長の高島氏は、元マッキンゼーのコンサルタント。「MECE」や「イシューツリー」など問題解決の基本的な手法を学んだ後のグループワークでは、「この課題に対する〝打ち手?は…」という専門用語が研修生の間で早くも飛び交っていた。


駒崎 弘樹 氏
NPO法人フローレンス代表理事
駒崎弘樹氏「病児保育」という社会的なニーズに取り組んで社会に変革を起こした駒崎氏。その成功体験だけでなく、ソーシャル・イノベーターとしての苦労や挫折を豊富なエピソードを交えて語ってくださった。




藤原 泰輔 氏
株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ ジェネラル・マネージャー
藤原泰輔氏企画提案のプロセスと組み立て方を、基本部分から細かなテクニックまで徹底的に伝授。3時間通しの講座を通じて、「ものごとを数字で把握する力」の大切さを叩き込んでくれた。 研修生からは、「今まで企業に出してボツになった企画書が、何故ダメだったのかわかった」という感も。


山中 秀樹 氏
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 副社長
山中秀樹氏「欲しい人に売るのはサービス。欲しくない人に売るのが営業」という山中氏の論に、研修生は大きくうなずく。顧客やブランドを第一に考えるその営業姿勢は、NPOにとっても事業を推進する上で非常に参考になるものであった。



ビジネスリーダーによるゲスト・スピーカー・セッション
福武 總一郎 氏
ベネッセコーポレーション代表取締役会長 兼 CEO
福武總一郎氏BENESSE(よく生きる)を支援する経営と
地域づくり







ロバート・サイデル 氏
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.(日本)社長
アメリカン・エキスプレスにおける
リーダーシップ







グループワーク
課題:各グループが仮想のNPOとなって、実在する企業に対する協働企画または提案を作成し、プレゼンテーションを行なう。
初日夜の夕食交流会の最後に、グループワークの課題が発表された。夜9時からチーム毎に企画についてのディスカッションがスタート。自分たちのNPO事業の枠を超えて、広く社会的課題についてのアイデアが出てくるが、逆に収集するのが困難な事態に。時計の針はあっという間に午前0時を超えた。 2日目は、実務講座で教わったばかりの「イシュー・ツリー」や「企画書の組み立て方」を取り入れて、翌日のプレゼンテーションの準備という予定だったが、問題の洗い出しの段階で既に整理しきれないほどの巨大なイシュー・ツリーが出来上がってしまった。会議室を使える時間はすでに2時間を切り、グループのリーダーにも焦りの色が見える。アメリカン・エキスプレスのエディ広報室長や米倉先生が、課題設定について助言を行い、夜10時に急遽企画提案のテーマが変更になったグループもあった。ほとんどのグループが午前2時、3時までプレゼンテーションの準備に追われた。

フィールドワーク
気づきのシェアリング「ビッグイシュー販売サポート」
最終日は朝7時にバスで研修会場を出発し、一路新宿西口へ。有限会社ビッグイシュー日本のアレンジにより、グループ毎に「ビッグイシュー日本版」の販売サポートを行なった。小雨まじりの強風の中、30分で10冊を売るというかなりハードな目標設定である。



課題プレゼンテーション
新宿から六本木ヒルズへ移動し、いよいよグループ毎のプレゼンテーション開始。
まず、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 広報室室長、エディ操氏から、同社のフィランソロピー活動についての事例紹介が行なわれた。スライドの構成やスピーチ、時間配分など、全てにおいて完璧な模範プレゼンテーションを見て、各チームにはますます緊張が走る。持ち時間は15分。各審査員から寄せられる鋭い質問の数々に、メンバー5人で力を合わせて対応した。

<課題プレゼンテーション審査員> (敬称略)
米倉 誠一郎 一橋大学イノベーション研究センター長・教授
東 富彦 日本電気株式会社 社会貢献室グループマネージャー
佐藤 暁子 三和ホールディングス株式会社 CSR推進部CSR推進課
原田 勝広 日本経済新聞社 編集委員
エディ 操 アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc. 広報室室長
高橋 陽子 公益社団法人日本フィランソロピー協会理事長
『研修生からのコメント』
・自分自身がリーダーとして組織をまとめていく上で有効な、スキルや考え方、物事の捉え方を学べた。
・自身の弱みと強みがわかり、改善すべき課題が明確になった。
・おそらく他では絶対に得られない経験ができた。ビジネスセクターの一流の講師陣がNPOの強みや弱みを熟知したうえで練られたカリキュラムが素晴らしかった。
・職場でのチームビルディング、チームマネジメント、ドナーリレーションズをより向上させるのに活かしていきたい。
・営利企業であっても非営利組織であっても、社会的イノベーションを生み出すことが大事とわかったので、自分の属する組織をもっともっと変えていきたい。

<研修参加団体>(50音順)
アースウォッチ・ジャパン
アリスセンター
ACE
芸術資源開発機構(ARDA)
国連WFP協会
NPO サポートセンター
JUON(樹恩)ネットワーク
育て上げネット
日本UNHCR協会
ぱれっと
ビッグイシュー基金
ファミリーハウス
・内閣府
・厚生労働省
・文部科学省
・独立行政法人国際協力機構
・一橋大学大学院
・早稲田大学
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