アステラス・スターライトパートナー

Latest Update:2022.3.3
主催:アステラス製薬株式会社
企画:公益社団法人日本フィランソロピー協会
難病に関して設立されている患者会は、病気に関する情報交換や会員同士の相互支援などを目的としていますが、会を持続させるために、それぞれに何らかの課題を抱えていることがあります。単に財政面の問題だけでなく、会員間の良好なコミュニケーションの促進や会を率いるリーダーシップなど、多岐にわたります。
 
アステラス製薬株式会社は、製薬会社の社会貢献活動の一環として、こうした難病患者会の支援を目的に、課題解決につながる研修会を開催します。研修会の企画立案および運営にあたっては、公益社団法人日本フィランソロピー協会が協力しました。
プログラム概要
名称:
アステラス・スターライトパートナー 患者会次世代リーダーのためのリーダーシップ・トレーニング
主催:
企画:
公益社団法人日本フィランソロピー協会
目的:
・今後、患者会で次世代リーダーとして活動していくにあたって、患者会の活動目的を再確認し、自身の会への思いなどを言語化する機会とする。
・患者会の会員がコミットメントできる組織をつくるために必要なコミュニケーションスキルと多様な人材をまとめるマネジメントスキルを習得する。
日程と会場:
【第1回】2021年6月26日(土)~27日(日)/オンライン <開催報告>
【第2回】2021年9月04日(土)~05日(日)/オンライン <開催報告>
【第3回】2022年1月29日(土)/オンライン <開催報告>
定員:
20名(参加者はすでに募集済みで決定しています。)
 
カリキュラム
【第1回】
2021.6.26~27/オンライン
<開催報告>
<問題提起>
『患者会・患者活動の意義を考える』
山本ベバリー さん
大阪大学大学院教授
患者会HAEJ 理事長
<事例報告&意見交換>
・患者会リーダーからの事例報告
・参加者同士の意見交換
永松勝利 さん
再発性多発軟骨炎(RP)患者会 代表
本間りえ さん
特定非営利活動法人ALDの未来を考える会
理事長
<ワークショップ>
・自己分析
・自己体験と思いの整理と言語化
宮地勘司 さん
教育と探求社 代表取締役社長
 
・他者共有と気づき
・コミュニケーションスキル向上
田中康之 さん
株式会社 BRICOLEUR(ブリコルール) パートナー
 
【第2回】
2021.9.4~5/オンライン
<開催報告>
<ワークショップ>
・多様な人材組織をまとめる
 マネジメントスキル習得
田中康之 さん
株式会社 BRICOLEUR(ブリコルール) パートナー
 
・組織運営論/資金調達/伝える力の向上
長浜洋二 さん
モジョコンサルティング合同会社 代表
 
・2022年1月までの各団体の目標と課題の設定
【第3回】
2022.1.29/オンライン
<開催報告>
<成果報告>
・2021年9月に設定した目標と課題についての
 成果報告
参加各団体
<講評>
山本ベバリー さん
大阪大学大学院教授/患者会HAEJ 理事長
宮地勘司 さん
教育と探求社 代表取締役社長
田中康之 さん
株式会社 BRICOLEUR(ブリコルール) パートナー
長浜洋二 さん
モジョコンサルティング合同会社 代表
<講演>
村木厚子 さん
一般社団法人若草プロジェクト 代表呼びかけ人
元・厚生労働事務次官
 
 
開催報告
【第1回】
2021.6.26(土)~6.27(日)/オンライン
参加:
14名
感想:
・ワークショップでは、参加者のみなさんは、大いに学び、触発しあい、勇気づけられた場になったようです。ほかの患者会の事例に聞き入ったり、自分自身を掘り下げたり、効果的なコミュニケーションスタイルについて考察してみたり、2日間で、さまざまなプログラムをこなされました。
・参加者のみなさんからは、「ひとりでがんばっている気がしていたが、各地での取り組みが分かり、もうちょっとがんばってみようと思った」とか「患者会への情熱を思い出した」といった声が聞かれました。新たな刺激となり、患者会の活動の原点を見つめなおした方が何人もいました。
・また、今後の患者会の目標として、「特定のメンバーに業務が集中するので、効率化を進めていきたい」、「団体に新たな風を吹き込みたい」といった方向性が示され、組織を再活性化していこうとする意気込みが随所で感じられました。このように今回の研修会の目的に沿う声があがったのは、企画に関わった者としても、うれしい限りです。
・この研修会は、同じ参加者を対象に第2回・第3回と続きます。2021年9月の再会を約束して、2日間の研修を終えました。
・参加される患者会のみなさんのお役に立てるよう、公益社団法人日本フィランソロピー協会は、アステラス製薬株式会社に協力して、この研修会に工夫をこらし、また丁寧に準備を進めてまいります。
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【第2回】
2021.9.4(土)~9.5(日)/オンライン
参加:
14名
内容:
<第1日目>ワークショップ「多様な人材・組織をまとめるマネジメントスキル」
 講師:田中康之 さん
 
振り返りと宿題
 6月の第1回研修会の最後に講師から出された宿題
 (1)自分の患者会の存在意義・使命を明確にしてくる。
 (2)自分の患者会メンバーの入会(所属)理由を確認してくる。
 これらの課題について、参加者全員が報告し、共有しました。
 
ファシリテーションの技能についての学び
チームでの成果を大きくすることがファシリテーションの役割です。相手に適切な問いかけをしたり、受容的態度で聞くことが大事になります。また、相手の様子を見て心の動きを感じ取る力もファシリテーターには求められることを学びました。
さらに、「リモートワークを推進するべきか否か」という題が与えられ、まず、賛成・反対に分かれ、議論をしつつ合意形成を図っていくスキルを、実践的に身につけました。対立のある状況でも、伝え方を工夫すれば、互いに納得感のある結論を導くことができることを理解しました。
 
<第2日目>ワークショップ「NPOの組織運営と事業」
 講師:長浜洋二 さん
 
所属団体の事業・プロジェクトの自己評価
参加者のみなさんは、自分の所属団体の事業やプロジェクトが、どういう状態にあるかについて、精査し、自己評価をしました。
具体的には、ステークホルダーは整理できているか、ビジョン/ミッションは明確になっているか、伝える方法は最適化されているかを点検しました。そして、資金獲得法や組織/人員体制の整備などの観点からも自己評価をしました。
参加者のみなさんは、患者会のリーダーであったり、次世代を担うことが期待されているため、団体を維持、発展させていくための知識とスキルを学ぶ絶好の機会となったようです。
2022年1月の報告会に向けての目標設定
2日目の最後の時間に、2022年1月までの目標を設定しました。自分の団体・組織が、どうありたいか、そのために自分は具体的に何をやるのかを考え、シートに記入しました。そして、ほかの参加者に、どういう目標を立てたか発表しました。
2022年1月29日の第3回研修会では、その目標がどのくらい達成されたかを報告することになっています。
 
事後の参加者アンケートより
・時間は長いですが、終わったときは気持ちがとても前向きに、元気になりました。今後も相談や学びあえる場を提供いただけるとうれしいです。
・自分の当たり前が、他の方の当たり前ではないことや、納得感を高める伝え方は今後実践して身に着けていきたいと思いました。
・自分たちの組織がどういう組織なのか、よりよくしていくためにはどうしたらよいのか、漠然としていたものが今回の研修で見えてきました。メンバーと共有し、少しずつでも組織としてレベルアップしていきたいと思います。
 
 
【第3回】
2022.1.29(土)/オンライン
参加:
14名
内容:
(1)9つの患者会から、目標の達成状況についての報告
   ・報告(各団体10分)、質疑応答および講師の講評(各団体10分)
   ・講評:山本ベバリー さん、宮地勘司 さん、田中康之 さん、長浜洋二 さん
 

いずれもスライドもクリックすると拡大します。
各患者会は、2021年9月の研修の終わりに、「オンラインでの交流会を企画する」「運営側で動ける人材を確保する」「NPO法人化を目指す」「患者会ホームページのリニューアルを提案する」あるいは「会を客観的に評価し、今後の施策を議論する」といった今後の会の発展につながる目標をそれぞれに設定しました。
 
そして、それを達成するための取り組みを、この日(2022.1.29)まで続け、得られた成果について報告がなされました。達成できたことがある一方で、課題となって浮かび上がったことなどが、各団体から率直に語られました。(4枚のスライドは各患者会作成)
 
その結果、「ふだんの交流会への参加者を増やすことができた」、「オンライン講演会をオンデマンドで配信できた」、「世話人をひとり増やすことができた」といった成果報告を聞くことができました。
 
特に印象的だった話題のひとつに、どの団体にも共通してみられる、「運営に携わる人材の確保」がありました。人手の限られた患者会の運営では、特定の人に仕事が集中し、過負荷の状態が起きやすくなります。ある参加者は「本業の仕事や家事などが重なってくると、続けるのが難しくなると感じることがあります」と悩みを吐露。患者会の持続性を考える上で、大きな問題のひとつとなっていたのです。
 
そこで、必要とする人材像を明確にした上で、候補となる人に思い切って声かけしたところ、快諾されて、世話人を増やすことができました。それによって、「新たなSNSツールが使えるようになるなどして、発信力がアップしました」と笑顔で報告がありました。
 
この取り組みに対して、ある講師から「業務はどんどん増えていくものなので、新たな世話人にも、やがて大きな負荷がかかるようになる可能性があります。その点への配慮は忘れないようにしないといけません」というコメントがありました。そして、「労力は有限なので、新たなことをするためにはやらないことを決める、優先順位を下げるものを決めることも大事」との助言がありました。
 
ほかの講師からも「小さな組織ほど、何をやるか以上に、だれとやるかが重要になります」。メンバー間で齟齬が生じないように、「組織のビジョンを明確にして、人を募ることが肝心です」という補足があり、一歩先、二歩先を見据えた講師陣の助言に参加者のみなさんが感心する場面もありました。
 
こうして、2021年6月、2021年9月、2022年1月の研修を通じて、参加者のみなさんからは、「会のビジョンが明確になった」、「患者会の存在意義をあらためて感じることができた」、「自分の当たり前は必ずしも相手の当たり前ではないことがわかってきた」、「会員間で今後の施策立案に向けたアイデア出しがたくさんできた」といった前向きな声がいくつも聞かれました。
 
今後の課題としては、「ステイクホルダーの整理による協力者の洗い出しが必要」、「情報共有を徹底すること」、「ほかの患者会がどうしているのかリサーチしたい」といった言及がありました。
 
2021年9月の目標設定から、2022年1月の報告会までの時間は限られていましたので、実際に何かを達成できたという以上に、各団体が抱える課題の解決にむけて、どうやって動きを作り出していけばいいのかをそれぞれに把握できたことが一番の収穫だったようです。
 
この研修は話を聞いて終わりではなく、組織が強くなり、持続的なものとなるよう、今回参加されたみなさんが、その後も、組織の中でリーダーシップを発揮していくことが期待されています。そして、それが形になっていきそうな手ごたえを主催者も感じることができました。
 
講師からの講評では、熱心な取り組みに対して賛辞が送られました。コミュニケーション改善の視点、NPO組織論の視点、自らも患者会を運営する立場での視点から、たくさんのコメントがなされ、参加者も講師も互いに刺激を与えあう場となりました。
 
参加者のみなんさんの問題意識には、共通するところがある一方で、患者会ごとに固有のものもあります。研修会における、参加者同士の出会いと交流から、さらにまた新しい患者会のあり方が見えてくるだろうという予感を抱きながら、2021年6月からの患者会リーダーシップ研修会は幕を閉じました。
 
事後のアンケートには、「研修についていけるかと、不安や緊張でいっぱいでしたが、盛りだくさんな内容で、とても勉強になりました。会としての課題解決をするための一歩を踏み出すためのきっかけになり、とても素晴らしい研修でした」という参加者の声がありました。一方で、患者会の規模や特性などに応じて、求めていることに差異もあるため、見直しやブラッシュアップの必要性を主催者側で感じとる部分もありました。
 
こうして、この研修会は、主催者と事務局による年度全体でのふりかえりを経て、今後も継続して実施される予定となっています。
 
(2)市民活動に通じる講演会
   ※各患者会が活動を充実させ、継続させていくヒントとなる講演会を企画しました。
 
  ・タイトル:みんなで長く楽しく、市民活動を続けるために
・講師:
村木厚子 さん
一般社団法人若草プロジェクト 代表呼びかけ人
元 厚生労働事務次官
村木厚子さん
37年間の厚生労働省での勤務経験や、その後の市民活動への関りなどをもとにして、NPOにおけるステイクホルダーの意味、問題解決に必要な能力の育成、あるいはリーダー論などが語られました。
 
いずれも、ご自身の経験に裏打ちされた貴重なお話ばかりで、参加者のみなさんは今後の自分の職業人生や患者会運営に生かせそうなヒントをたくさん見つけることができました。
 
事後のアンケートでは、「村木さんのような方でもリーダーとして悩まれたことがあったことを知り、少し安心しました。自分なりのリーダー像を見つけていけばいいんだと思いました。」という感想が寄せられました。
「アステラス製薬/患者会次世代リーダーのためのリーダーシップ・トレーニングのご紹介」おわり
 
リリース日:2021.07.14
最終更新日:2022.03.03