募金・寄付を核にした「サービス・ラーニング」の可能性
開催終了
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12月の定例セミナー
平成28年度公益財団法人JKA補助事業 「中学生が核になる高齢者、障害者等支援を通じた地域共生促進事業」
去る2017年3月18 日(土)、「サービス・ラーニング」をテーマにシンポジウムを開催しました。「サービス・ラーニング」は、知識と社会貢献活動を融合させ「市民性」「社会参画意識」を育む教育法として米国の多くの小中学校で導入されています。米国における成果と課題、日本で実践する意義と可能性について考えました。
1.問題提起
「日本の学校教育におけるサービス・ラーニングの意義と可能性」
唐木 清志(からき・きよし)先生(筑波大学 人間系 准教授)
 
学習指導要領の改訂など学校教育改革の動きも踏まえ、教育課程において「サービス・ラーニング」の考え方、実践がますます重要になることをお話しいただきました。体験を通じた深く大きな学びをどう創りだすか、そのひとつとして「募金・寄付」を取り入れることによる教育効果とカリキュラム設計のポイントを整理していただきました。
2.特別講演
「米国の学校教育におけるサービス・ラーニング実践~その成果と課題~」
クリスティン・クレス先生(ポートランド州立大学 教授)
 
400ものサービス・ラーニングのコースを有し、毎年154万時間の社会貢献活動が学生によって提供されているポートランド州立大学。同大学での実践事例、地域の小中学校の実践事例を交え、サービス・ラーニングを始める際に踏まえるべきポイント、地域社会とつながるためのステップや体制づくりについてお話しいただきました。
米国においては、サービス・ラーニングを実践することによって、子どもたちの向学意欲や市民性向上に役立ち、地域社会にも経済効果があるという成果が明らかになっている一方、経済的に恵まれない地域にある学校は導入率が低く手助けが必要という課題を共有しました。
3.募金・寄付を核にしたサービス・ラーニング
「チャリティーチャレンジ・プログラム」のご紹介
 
日本フィランソロピー協会では、募金・寄付を核にしたサービス・ラーニング「チャリティーチャレンジ・プログラム(CCP)」を推進しています。CCPは小中学校を対象に、総合的な学習の時間等で取り組んでいただく学習パッケージで、募金の目的、寄付先を子ども自身が話し合って決定し、行動することが特長です。他者に協力を募る「募金」、集めたお金を課題解決に活かす「寄付」を通して、地域社会におけるお金の循環を実感することができ、郷土愛と自己肯定感を高めます。各学校の実情や教育目標などに応じたプログラム設計も可能です。(詳細は こちら から。)
4.学校事例紹介
(1)佐賀県 小城市立砥川 (おぎしりつとがわ) 小学校
4年生が「総合的な学習の時間」で、郷土の歴史と伝統を守るための募金・寄付活動を実施。地域の文化団体と連携した授業づくりについてお話しいただきました。(詳細は こちら から。)
(2)東京都 墨田区立両国中学校
1年生が「総合的な学習の時間」に地域防災をテーマに活動を実施。学年の教員全員が連携するための工夫についてお話しいただきました。(詳細は こちら から。)
(3)熊本県 高森町立高森中学校
熊本地震で被災した「南阿蘇鉄道」の早期再開を願い、生徒会を中心に、募金・寄付活動を実施。より多くの生徒や地域住民を巻き込むための工夫についてお話しいただきました。(詳細は こちら から。)
参加者アンケートより
・学校での学び方や学んだことの活かし方を知るということは、とても納得できた。
・ボランティア、募金というと慈善のイメージが強くあったが、企業やNPO、NGOを巻き込むということが参考になった。
・小中学校の事例を通して児童・生徒の学びの成果を確認できた。どれも素晴らしい発表だった。
・小中高大と一貫してつながる教育の質の転換について貴重な情報をいただくことができた。
・金融教育に関しても小学校~中学校までの中で系統的に学習する必要性を感じた。
 

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