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フィランソロピーとは
フィランソロピーはギリシャ語のフィリア(愛)とアンソロポス(人類)を語源とする合成語で、直訳すると人類愛、慈善のことですが、日本では「社会貢献」の意味で使われています。
理事長あいさつ フィランソロピー社会を目指して
公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長 橋 陽子
1991年4月よりフィランソロピーの推進をして20年目を迎えました。 フィランソロピーという言葉は、もともとギリシャ語の合成語で人間愛・博愛ということを意味します。それが現在では社会貢献という意味で使われています。 当協会では、障害の有無や年齢を問わず、一人ひとりが主体的に社会参加・社会貢献することが民主主義の原点である、という考えの下、従来の行政依存から脱却して、企業やそこに働く従業員をはじめ、一人ひとりが主体的に責任をもって社会づくりに参加し、ボランティアや寄付などを通して社会のさまざまな問題解決のためにできることをすることをフィランソロピーと捉えています。 そして、従来、公益は"官" が担うもの、とされていたのに対し、"民"も公益の担い手と位置づけることで、自由闊達で温かく、活力ある社会を創ることをめざしています。
この間、時代の変化の中で、「民間の支える公益」の重要性が少しずつ認識され始め、昨年12月1日には110年ぶりとなる公益法人制度の抜本的改革に関する三法が施行されました。これにより、従来の公益法人は一旦、特例民法法人として位置付けられ、5年以内に公益社団(財団)法人、一般社団(財団)法人のいずれかに移行、もしくは解散することが必要となりました。当協会の使命は、まさに「民間が公益を果たすことを推進する」ことでありますので、公益社団法人の認定を受けることを直ちに決定し申請、そしてこのたび、7月1日に新制度の下で公益社団法人として登記し、新たに船出いたしました。
2003年はCSR(Corporate Social Responsibility)元年といわれ、経済的・環境・社会的側面での企業の社会責任に関心が高まる中、社会貢献もその中に位置付けられ、各社におきましても社会貢献活動の必要性が少しずつ認識され、積極的に推進しようとする機運は、豊かさの指標が変わりつつあることを実感します。昨今の経済危機に直面し、企業も厳しい状況にありますが、今こそ、持続可能な社会を実現するため、企業は「社会の公器」としての哲学を実践することが期待されています。 また、行政、企業の2セクターに加え、フィランソロピーセクターとしてのNPOなどの育成も重要です。実際、NPO法人の数も4万団体に迫り、閉塞状況にある日本社会に活力を与えるものとしての全国での多彩な活動に目を見張ります。ただ、行政や企業のカウンターパートとしての力をつけるにはまだまだ道遠しです。個人の寄付文化の醸成、NPO自身の力量のアップ、法整備をはじめとする環境整備など、点としてではなく循環的な改革が必要です。
当協会は、企業の社会貢献活動を中心に、従業員はじめ一般市民のボランティア・マインド・寄付文化を醸成するためのきっかけづくり・受け皿の育成に尽力してまいります。 企業や個人によるフィランソロピー活動が自由闊達な民主主義社会を創るためには不可欠です。今後はより多くの企業や個人の参加と協力を得ながら、新たなステージでの使命を真摯に果たしてまいりたいと思います。 ご一緒に愉快な社会創り・地域づくりをしてくださる仲間をお待ちしています。
これまでのあゆみ
- 1960年(昭和35年)
ジャーナリスト・学者・評論家を中心に自由で民主的な社会づくりのための研究会発足。 - 1962年(昭和37年)
内閣総理大臣より公益法人としての認可を受ける。 - 1990年(平成2年)
企業市民会議室を新設。人と企業の社会貢献問題に取り組む。定例会「企業市民会議」の開催。「月刊フィランソロピー」創刊。 - 1991年(平成3年)
設立30周年。戦後体制の行き詰まりにあたり、21世紀に向けて新しい社会システムの確立を目指す。 - 1998年(平成10年)
知的障害とアートをテーマにした記録映画「まひるのほし」制作。全国の障害を持つ皆さんとその家族・福祉関係者およびボランティアをITで結ぶ「アニモネットワークサークル」を構築。
「まちかどのフィランソロピスト賞」創設。 - 2000年(平成12年)
設立40周年。視覚障害者・高齢者などへの音訳サービス「声の花束」がスタート。 - 2003年(平成15年)
「企業フィランソロピー大賞」創設。 - 2007年(平成19年)
「フィランソロピーバンク」創設。 - 2009年(平成21年)
新公益法人制度の下、公益社団法人として認定を受ける。