そうま天のつぶブランド育成プロジェクト事業方針発表会
JAそうま 天のつぶブランド協議会
「そうま天のつぶブランド育成プロジェクト」事業方針発表会
「復興応援 キリン絆プロジェクト」農業支援 贈呈式
日時:平成27年(2015年)11月17日(火)13:00~14:15
会場:JAそうま 3階会議室
 
 福島県の東部、阿武隈山地と太平洋に挟まれたエリアは「浜通り地方」と呼ばれる。内陸の「中通り」「会津」地方とは気候も違い、降雪は少なく日照時間も多い。そして阿武隈山地から流れ出す多くの川が森の栄養を平野へと運ぶ。浜通り地方の平野部では、古くから水稲の栽培が盛んに行われてきた。
 ところが、東日本大震災の津波冠水被害、また福島第一原子力発電所の事故は、浜通り地方、とくに双葉郡や南相馬市など「相双地方」と呼ばれる地域の農業に多大なダメージを与えた。作付け不能、または自粛・制限が行われ、除塩と除染作業は長引き、そして風評被害にも悩まされ続けた。
 地域の農業協同組合である「JAそうま」管内の水田は、震災前には8,500ヘクタールあったが、震災から3年を経た2014年度でも、作付けを再開した田んぼは未だ2,400ヘクタールに止まり、震災前の水準には戻っていない。
 厳しい状況下にある相双地方の農業だが、震災後、「JAそうま」では、復興田でもしっかりと根を張って倒伏が少なく、かつ米の粒が大きく実る新品種「天のつぶ」の作付けを農家に奨励。今、多くの農業者が栽培に挑戦している。
 「天のつぶ」は、平成7年(1995年)から15年の歳月をかけて福島県が研究を続け開発された、相双地方など県内の平坦部での栽培に適した新品種だ。「米本来の旨味がぎゅっと詰まった大粒の米をブランドとして立ち上げたい」。JAそうまと生産者たちは、青空へ向かってすっくと立ち大きく伸びていく「天のつぶ」を、復興と米産地である相双地方のシンボル米として育て、そのおいしさを広く消費者に伝えるために「そうま天のつぶブランド協議会」を立ち上げた。
 粒にばらつきが少なく、ふっくらと炊きあげられた「天のつぶ」の食味は、米食のおいしさと楽しさをあらためて教えてくれる。また、その特性を活かした加工品の開発で、「天のつぶ」の魅力を広く世間に伝え、相馬地方の農業者のやりがいと誇りを取り戻す。
 それが「そうま 天のつぶ」ブランド育成の目的である。
 
 平成27年(2015年)11月17日、南相馬市にある「JAそうま」本社3階の会議室で「JAそうま天のつぶブランド協議会」による「そうま天のつぶブランド育成プロジェクト」事業方針発表会が開催され、同プロジェクトに対する「復興応援 キリン絆プロジェクト」農業支援の贈呈式が行われた。
 天の恵みを受けて、大きく育つ「天のつぶ」。日本人の食生活の真ん中にあるお米のおいしさと魅力をもう一度知ってほしい・・・。「つぶ」には、そんな想いが込められている。
1.「そうま天のつぶブランド育成プロジェクト」事業方針発表会
 
《主催者挨拶》
そうま農業協同組合 営農生活担当常務
JAそうま 天のつぶブランド協議会 会長 濱田 賢次 様
 相馬地方ではまだ多くの農家や生産組合などが避難生活を続けている中、JAそうまは、一歩ずつではありますが前へ進んでまいりました。しかし、風評被害は収まるところを知らず、一生懸命作った農作物が売れにくいという状況も続いています。
 そうした中、福島県で生まれて、当地方の気候に合う新しいお米「天のつぶ」の作付けを拡大しております。ことし(2015年)は552ヘクタール、約2万俵です。しかし、知名度はなかなか上がっておりません。私たちは6次化プロジェクトを立ち上げ、予算や人材が限られた中で「天のつぶ」を使った純米酒やせんべいなどを作り、消費拡大に結びつけたく活動してまいりました。
 今回、「復興応援 キリン絆プロジェクト」農業支援事業の助成をいただけますことを大きな励みとして、「天のつぶ」のブランド化を、必ず成功させたいと固く思っております。
《来賓代表挨拶》
福島県 相双農林事務所 所長 小島 重紀 様
 相双地方で収穫された「天のつぶ」を使用した新商品開発ならびに流通、需要者との意見交換会、料理コンテストの開催など「天のつぶ」の消費拡大やブランド育成に向けた新たな取り組みである「そうま天のつぶブランド育成プロジェクト」に対し、キリングループから支援を受けられますこと、誠におめでとうございます。
 相双地方の農業は、地震、津波、原子力災害、風評被害により、深刻な影響を受けております。しかし農地の復旧などにより、津波被災地でも営農再開面積は拡大しています。
 米の全量全袋検査でも、平成26年(2014年)、平成27年(2015年)産米からは、基準値超過米は発生していません。検査米のほとんどが検出限界値未満であることは、今後の風評払拭や、当地方における米の生産再開に大きく貢献するものと期待しております。
 先ごろ、TPPの大筋合意の内容が発表され、当地方の農業への影響も懸念されるところですが、当地域の農業再生と農業経営の安定には、地域内で生産されたものを地域内で消費する、いわゆる「地産地消」と農産物を加工して販売する「地域産業6次化」のさらなる推進が必要不可欠と考えます。
 「天のつぶ」は、福島県が15年の歳月をかけて生み出した新品種です。「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」に匹敵する食味と、食べ応えのある食感、倒伏しにくい特性を有する本県の奨励品種です。倒れにくく、天に向かって真っ直ぐに伸びる稲。地域復興のシンボルとして、この新品種を活用できるものと期待しております。
《来賓挨拶》
相馬市長 立谷 秀清 様(代読:産業部長 宇佐見 清 様)
 「JAそうま天のつぶブランド協議会」の立ち上げにより「天のつぶ」の消費拡大、新たな商品開発などブランド化が進められますことに大いに期待しています。
 相馬市の農業の現状はと申しますと、津波被害農地につきましては、大部分で営農を再開し、順調に復旧しているところです。また、震災以降、新たな農業の担い手として農業法人の設立を推進し、経営の効率化や農地の集約化など、これからの農業経営を模索してまいりました。市としましても、放射能対策を徹底しながら各種施策を展開し、未来に向かう農業振興を図ってまいりたく考えます。
 しかしながら、収穫した米の全量全袋検査を経て安全を担保してもなお、風評被害や昨今の米価下落などにより、将来を見通すことが困難な環境にあります。このような状況下にあって今回のプロジェクトは風評被害払拭に大いに寄与し、相馬地方の農業の発展と農業者の生産意欲向上に資するものと期待しております。
《事業方針説明》
JAそうま 天のつぶ ブランド協議会 副会長 桑折 健一 様
 私も生産者としてきょうまで農地の復興を見てまいりました。多くの皆様のご支援により、農業者は営農を再開できています。心より感謝申し上げます。
 ことし収穫された「天のつぶ」を初めて米選別機の篩い網の目を2.05号(㎜)で篩ってみました。これまでは1.9号という目で篩っていましたが、それよりも大きい目で篩っても、実に85%が残りました。「天のつぶ」の特徴は大粒であること。よそにはなかなかないものです。この大粒の米を相馬地方のブランドとして立ち上げてはどうかということでこのプロジェクトが始まりました。
 ブランドは作るものではなく育てるものです。これからこのお米をブランドとして世に出していくためには、もっと栽培方法や販売方法を研究しなければなりません。
 例えば「コシヒカリ」の6次化は「コシヒカリ」という先にあった米のブランドに乗る形での6次化ですが、「天のつぶ」は生産、販売、ブランド化、6次化まで一気にやっていこうという考えです。相乗効果を生み出しながら、できるだけ早く「天のつぶ」を世間に知らしめたいと思っています。
《事業方針説明》
JAそうま 天のつぶ ブランド協議会 事務局長 菊地 洋一 様
 「天のつぶ」の作付けが始まったのは平成22年(2010年)です。それまであった「コシヒカリ」「ひとめぼれ」に加えての新たな品種です。東日本大震災以前、JAそうまは40万俵以上を出荷しておりましたが、震災後は以前の4分の1にまで減っています。
 「天のつぶ」はその名の通り、天に向かって真っ直ぐ伸び、粒がしっかり大きくなります。食味は「ひとめぼれ」と同等で、収量はやや勝ります。JAそうま管内での「天のつぶ」作付面積も年々増加しています。
 協議会の目的は大きく3つ。1つめは、粒が大きいという「天のつぶ」の特性を活かした販売。2つめは、粒の大きさや食味などお米の性質をふまえたさまざまな食べ方の提案。そして3つめは、これまでに作ってきた日本酒・せんべいに加えて、地元の海産物とコラボした商品など6次化商品を開発・販売いたします。
 生産者の意欲をかき立てられるよう活動してまいります。
JAそうま 天のつぶ ブランド協議会 事務局 米津 友市 様
 JAそうま管内では、お米を基幹作物とし、麦や大豆の栽培が盛んです。しかし、東日本大震災後には、管内の約8割が自粛・制限を余儀なくされました。4年が経過した今も、なお厳しい状況です。
 「天のつぶ」は、相双地方でも平成22年(2010年)から積極的に作付面積の拡大を図ってきました。震災後は復興田でも倒れにくく、栽培しやすいことから震災復興のシンボル米として集荷数量を増やし、加工品の開発にも取り組んでまいりました。
 一方、課題も見えてまいりました。
 お米には産地間の激しいブランド競争があります。その中で「天のつぶ」のブランドとしての価値や特徴を明確に伝えることができておらず、地元ですらその認知度が低いのが現状です。加工品についても特性を活かし、多様なニーズに応えられる多様な商品が開発です。
 「天のつぶ」は、浜通り地方の気候に適した品種で、倒伏や耐病性に優れ、粒が大きく収量も上がるなど生産者にとって魅力あるお米です。粒の厚みや風味や食感を楽しんでもらえ、チャーハンやリゾット、お寿司などをよりおいしくします。
 激変する農業環境、担い手不足、高齢化など震災以前からの課題に加え、農産品の価格下落、風評被害、失われつつある地域や生産者の誇り・・・。これらの課題に立ち向かい「天のつぶ」を、売れる米産地を目指すそうまのシンボル米とし、ブランド育成を行い、県内外へ発信してまいります。
 ブランド育成に向けては、現状の把握、情報の整理と発信、加工品づくりという3つのステップで進めてまいります。また、粒の大きさにこだわった2.0選別米、お米が主役の食べ方の紹介、加工品での知名度アップを目指します。
 事業の実施主体である協議会を、生産振興、販売、6次化という3つのチームで編成し、相双農林事務所、JA全農福島、相馬市役所をはじめ地域や関係機関と密に連携してまいります。
 栽培基準の品質向上目標の設定や生産拡大に努め、首都圏でのPR活動などで顔の見える販売を行います。また「天のつぶ」と地元海産物を使った新商品の開発を行い、主食と合わせてPRしてまいります。
 「天のつぶ」のブランド化を通じ、地元の誇りを取り戻し、地域の食文化とその元となる農業や水産業、それを育んできた相馬の風土や文化を継承していきたいと考えます。
2.「復興応援 キリン絆プロジェクト 農業支援」贈呈式
 
《主催者挨拶》
キリンビールマーケティング株式会社 福島支社 営業部長 橋本 岩男
 このたび「天のつぶブランド」の生産から販路まで至る活動の後押しといたしまして、JAそうま様に支援金を贈呈させていただきます。
 エピソードを一つお話しさせていただきます。2012年の11月、セブン&アイホールディングス様傘下のイトーヨーカドー様の千葉県内の店舗で「天のつぶ」のPRイベントが行われ、たまたま前福島県知事の佐藤様と弊社の社長が同席させていただきました。そのとき「福島県産の農産物を使った商品って出せないだろうか?」という話になりました。
 それから1年後、弊社では「氷結 和梨」という商品を発売いたしました。まさに「天のつぶ」がご縁となって、福島産のおいしい果物を、我々の商品を通じて発売することができたのでした。「天のつぶ」とは浅からぬ縁を感じております。
 「天のつぶ」が、これから一人でも多くのお客様に楽しんでいただいて、福島のおいしさを知っていただけたなら、私どももたいへんうれしく思います。
 私事ですが、私は郡山市の出身です。今春(2015年)、再び福島へ戻ってまいりました。営業部長として現場を預かる立場です。これからも福島県人としての思いを持って、弊社でも「天のつぶ」ブランドと一緒に何か取り組みができて行けたらと思っています。
《主催者挨拶》
公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長 髙橋 陽子
 私どもは、全国いろいろなところで社会貢献のお手伝いをさせていただいておりますが、東北以外の土地で福島県の話題になると、皆さんは「あぁ、たいへんですよね」「これからもがんばってほしいですね」とおっしゃいます。福島県に対して、「力なく落ち込んでいる」イメージをお持ちのようです。一方では震災の記憶も風化しつつあるのかなとも感じます。
 そういう方々に、ぜひ本日ご出席の皆様の力強いお言葉を伺い、その凛としたお姿を届けたいと思いました。
 福島県は、津波被害のみならず、風評被害という厳しい状況にも直面しています。今回、相馬地区の皆様が、「天のつぶ」を相馬を代表するブランドに発展させようというご決意に敬意を抱いております。
 天に向かって真っ直ぐに伸びる稲を、ますます高らかに天に向かって育て上げ、日本中に広げていってほしいと感じています。
《目録贈呈》
受け手:JAそうま 天のつぶブランド協議会 会長 濱田 賢次 様
 
贈り手:キリンビールマーケティング株式会社 福島支社 営業部長 橋本 岩男
    公益社団法人日本フィランソロピー協会 理事長 髙橋 陽子
《受贈者代表挨拶》
JAそうま 天のつぶブランド協議会 会長 濱田 賢次 様
 当地方は米が基幹作物です。しかし後継者が不足しているという課題もあり、この先、生活していけるのか、という思いを多くの生産者が持っています。そんな中で「天のつぶ」をブランド化し、販売を拡大できれば、生産意欲ももっと湧いてくるものと思い、プロジェクトを進めてまいる所存です。
 必ずや成功させるとの決意を申し上げ、また変わらぬご支援を賜りたく、お願い申し上げます。
《激励のご挨拶》
JA全農 福島県本部 県本部長 猪股 孝二 様
 私は、震災当時は管理部長という立場にあり、震災以降の福島県で、JAはこれからどんなことをやって行けばよいのか、非常に迷っておりました。当面思いついたのは壊れた倉庫や施設の修繕などで、手始めはそのようなことでした。
 そんなとき、キリングループ様はいち早く被災地支援・農業支援に伴うプロジェクトの具体的な実行を開始されました。農業機械を全国から持ってくるから、全農さん一緒にやりませんかというお話を受け、私は事務局をまとめるという立場にいました。震災直後から現在まで、長きにわたって支援を継続していただいていることには、ただただ感謝です。
 そしてJAそうま様のご活躍。「天のつぶ」プロジェクトも、本来であれば全農もまたもっとやらなければいけないところもございます。冒頭で組合長様がおっしゃった「宣伝が不十分」というご指摘も私どもへのお叱りと受け止めます。これからもJAそうま様とともに、一緒に汗をかいてまいりたいと思います。
 今年度(2015年度)「天のつぶ」は、県内6,000ヘクタールの作付けですが、来年以降、まだまだ増える方向です。主食の販売、6次化を含め、全農もがんばってまいります。
3.「天のつぶ」試食会
 事業方針の発表と贈呈式が行われた後、今秋収穫された「天のつぶ」を味わう試食会が行われ、おにぎりにされた新米が出席者に振る舞われた。
 「ほんとだ。粒が大きい。」「おにぎりにして、ちょっと冷めてもおいしいんだ。」「お弁当にもいいね。」「おかゆやリゾットでも粒がしっかり残りそう。」
 おにぎりにされた「天のつぶ」は、文字どおり粒ぞろい。粒の大きさが揃うことで炊きあがりにはムタがない。
 2個目、3個目へと手を伸ばす人も多く、「天のつぶ」の歯ごたえと、お米本来のおいしさを誰もが再確認した。
《インタビュー点描》
JAそうま 天のつぶブランド協議会 会長 濱田 賢次 様
 キリングループ様には、震災直後の農機具のご支援、そして同じく私どもJAそうまのトルコギキョウ生産部会による「さかそうそうま。トルコギキョウ魅力アッププロジェクト」へのご支援も賜り、我々だけではできないことができる、農家にとっても大きな力です。
 肝心なことは、必ず成功させることです。決意を持って取り組んでまいります。
 まずは「天のつぶ」という名前を消費者に広く知っていただくこと。いつか「コシヒカリ」にも匹敵するようなブランド米に持って行きたい。そうすることで農家も生産意欲を持つことができます。あすに希望を抱けるような、そんな米づくりにまでつながって行けたらいいと思っています。
 米穀店からの評判もよく、大手外食チェーンもからも「天のつぶ」を使ってみたいというお話をいただくなど、手応えはもう感じています。ますます大事に育てていきます。
《インタビュー点描》
「天のつぶ」生産者 佐藤 保彦 様
 私が「天のつぶ」を作り始めたのは震災以降で、以前は「コシヒカリ」を作っていました。相馬地方の「コシヒカリ」は他県産よりもおいしいと評判でした(笑)。震災後は、佐藤雄平前福島県知事の「福島県生まれのお米を増やしたい」という掛け声もあって「天のつぶ」を作り始めました。
 今も試行錯誤中ですが、年々食味は上がってきていると思います。肥料の量などまだ難しいところもありますが、なによりメリットは真っ直ぐ伸びて倒伏しにくいということ。これは農家にとってはとてもありがたいことなんです。コンバインで刈るときもカシャッカシャッと音がする。穂は黄金色でも茎は青い。それだけ根がガッチリしています。
 「天のつぶ」は、浜通り地方の気候に合っていると思います。同じ相馬地域でも海寄りの田んぼの方が山沿いよりもことし(2015年)は収量が多かった。でも、米づくりは毎年勉強です。肥料の加減など、まだまだつかめないでいるところもあります。
 南相馬市の南部地域はまだ除染できていないところもあります。除染土の仮置き場になっている田んぼもあります。これらが早く片付いて、もう一度、相馬地方の田んぼが黄金色に埋もれる日を待ち望んでいます。
《インタビュー点描》
JAそうま 天のつぶブランド協議会 副会長 桑折 健一 様
 私はJAそうまの営農担当でもあり、米作農家でもありますので、生産、販売、加工など、農協と農家の橋渡しのような役目ができたらと思っています。
 当地方で「天のつぶ」が本格的に栽培されるようになったのは、震災後です。そのためブランド化する作り方や育て方がまだ確立できていない。まずはそこからだと考えます。
 「コシヒカリ」では特別栽培米というものを作っていました。そのやり方を採り入れて「天のつぶ」も特別栽培米を作ってはどうかと思っています。ブランド米になりうるお米の栽培方法をしっかり確立させていきたい。
 相馬地方で「天のつぶ」の作付けが増えている理由の一つは津波があったからなんです。海水に浸ると、さまざまな養分が入ってきます。そうすると普通の品種は過栄養となって倒れてしまう。ところが「天のつぶ」はそれに強い。でも、そう思って追肥したりすると、今度はバタッと倒れて刈りづらい。まだまだ未知の部分が多いお米です。
 ことし(2015年)は2.05号(㎜)の網目で篩いましたが、やがては2.1号で篩ってみたい。相馬の「天のつぶ」は、日本でいちばん大粒のお米ですと言いたい。それが夢です。
2015.11.17「JAそうま/そうま天のつぶブランド育成プロジェクト事業方針発表会」おわり

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