【一般部門】
≪まちかどのフィランソロピスト賞≫
竹腰葵さんは、1946年(昭和21年)大分県国東(くにさき)半島に生まれる。結婚後、三重県四日市市に転居。
1999年(平成11年)ご主人の正治氏から鞄ランドセル小売業「株式会社タケコシ商事」の経営とランドセル寄贈活動を引き継いだ。1958年(昭和33年)から毎年、四日市市内の生活保護家庭の新一年生全員に贈ってきたランドセルは、累計2,448個、約8,500万円に相当する。 株式会社タケコシ商事は1946年創業。ランドセル寄贈は、義父の竹腰良次郎氏が、店頭のランドセルを「買って、買って」とせがむ子どもを母親が引きずるようにして立ち去った姿を見て「恵まれない子にもランドセルを背負わせたい」と思ったことが契機となった。良次郎氏は1958年より寄贈を開始。その思いは、歴代経営者に引き継がれ54年間にわたって継続している。 寄贈活動を引き継いだ葵さんに特別の気負いはなく、「ランドセルを受け取った子どもたちの、晴れがましいような表情が原動力」という。前に寄贈を受け、今は親になったという人、活動に共感した地域住民からも「ランドセルを買うならばこの店で」と応援のメッセージが届く。 昨年末から全国的に報道された「タイガーマスク現象」は、日本中に連鎖する一方、一過性の行為にとどまらない支援の在り方への問題提起にもなった。竹腰さん親子の半世紀にわたっての寄贈活動は、いつの時代にも子どもの成長を温かく見守るタイガーマスクが存在することを示しており、親の思いを子が受け継ぎ、地域の大人の思いを地域の子が受け継ぐという信頼の輪が広がっている。長年の活動に敬意を示し「まちかどのフィランソロピスト賞」を贈呈するものである。 ≪特別賞≫
中里れいちゃんは、中里圭一さん、ゆかりさんご夫妻の長女として、2009年(平成21年)9月30日に誕生。「れい」という名前は、誰にでも「ありがとう」と言える人になってほしいとの思いでつけられた。今は周囲から言われる「ありがとう」の回数×20円が寄付となり、「NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会」を通して、途上国の子どもたちのワクチン接種に使われている。その累計は10万円(ワクチン接種5,000回分)に相当する。
この活動はもともと圭一さんが続けてきたもの。れいちゃん自身も役立つことができないかとゆかりさんに提案した。ご夫妻でれいちゃんが言われた「ありがとう」の回数をエピソードともに記録、寄付にする行為は、我が子の成長を実感できる瞬間でもあるという。また、圭一さんが社会貢献活動を始めるきっかけは、勤務している会社の社会貢献活動の存在も大きく、ボランティアや寄付は「自分にも力をもらえる活動」と感じるようになった。圭一さんのご両親は、500円硬貨を貯めて児童福祉団体に寄付していた。その姿は圭一さんの記憶にとどまり、我が子に引き継がれようとしている。 近年、育児の孤立化が取りざたされる中で、中里さんご一家の育児の在り様は、「社会との関わりの中で子どもを育てる」ことの実践であり、多くの子育て家庭の参考になるものである。「特別賞」として称え、広く世の中に示していきたい。 【青少年部門】
『青少年フィランソロピスト賞』 をご覧ください。 |
日 時 | 2011年12月8日(木)15:00~19:30 |
会 場 | 学士会館 2階210号室 <所在地> 東京都千代田区神田錦町3-28 <案内図> こちら をご参照ください。 |
プログラム | ・15:00~16:00 贈呈式 ・16:00~18:00 受賞者のお話/受賞校の活動発表など ・18:15~19:30 懇親会(軽食) |
お問合せ | こちら から。 |
第14回 『まちかどのフィランソロピスト賞』 実施要綱 | |
賞の目的 | ~日本の寄付文化醸成をめざす~ 社会のためのボランティア活動に参加する人が多い一方で、見過ごされがちではありますが、社会の役に立ちたいという思いを込めて寄付を行なう人も決して少なくありません。 こうした寄付はフィランソロピーと呼ばれ、米国ではたいへん盛んですが、日本では寄付に対する評価はまだまだ低く、寄付した人も目立ちたくないとか、「陰徳」こそが好ましいといった価値観に支配されやすく、寄付金に対する税制優遇措置が極めて未整備なこともあり、寄付の実態がよく分かっておりません。 こうした中で、当協会では、さまざまな思いや心あたたまるエピソードを秘めた寄付を広く紹介し、日本にも寄付の文化が育つことを願って、1998年(平成10年)に 本賞を創設しました。 また、2005年(平成17年)からは、<青少年部門>を設けました。少年期・青年期における体験や教育を通じて、次代を担う若者の寄付活動を推奨し、青少年の豊かな心の育成と、社会参加の輪が広がっていくことを願っています。 |
贈呈対象 | <一般部門>
・社会のために私財を投じた個人またはグループ<青少年部門>
・「青少年フィランソロピスト賞」(文部科学省後援)として・・開催いたします。 |
対象期間 | 2001年(平成13年)1月1日から現在 |
応募方法 | 当協会所定の推薦書用紙にご記入の上、ご送付ください。 推薦書用紙のダウンロードは、こちら から。 (但し、他薦に限ります。) |
応募締切 | 2011年7月1日(金)/募集は終了しました。 |
選考方法 | 書類審査および訪問調査(ヒアリング) |
選考基準 | ・フィランソロピー精神(人類愛)から生まれた寄付であるもの ・社会のために役立つ寄付であるもの ・寄付にあたって人々を感動させるエピソードがあるもの |
贈呈品 | 賞状のみ(賞金はありません) |
選考委員 | ・金丸 勝彦 氏株式会社 リコー ・寺瀬 哲 氏サトーホールディングス株式会社 ・中島 健三 氏大阪ガス株式会社 ・中村 文代 氏プルデンシャル生命保険株式会社 ・松本 明 氏大和ハウス工業株式会社 |
お問合せ | 公益社団法人日本フィランソロピー協会 『まちかどのフィランソロピスト賞』事務局 〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル244 TEL:03-5205-7580 FAX:03-5205-7585 E-mail: こちら のお問合せフォームをご利用ください。 |