いま、日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあると言われています。
親の経済状況が子どもに及ぼす影響は深刻で、学力だけでなく健康や自尊感情も損なわれていくという報告もあります。また、世代間で貧困が連鎖するケースも少なくありません。しかし、そうした現象の原因やその影響は、複雑に絡み合っており、もはや、個々の家庭の問題として捉えるだけでなく、社会全体の課題として取り組むことが求められています。
今回のセミナーでは、貧困問題の研究者であり、2008年に日本で初めて「子どもの貧困」についての著された阿部彩先生をお招きして、「子どもの貧困」という問題について、客観的な調査データをもとに明らかにしていただき、地域社会として、また、企業として、この喫緊の課題にどのように対応をすべきか、何ができるかを皆さんと一緒に考えたいと思います。
阿部 彩 (あべ・あや) 氏
首都大学東京 人文社会系都市教養学部
社会学コース社会福祉学 教授
<プロフィール>
マサチューセッツ工科大学卒。タフツ大学フレッチャー外交法律大学院修士・博士号取得。国際連合、海外経済協力基金を経て、1999年より国立社会保障・人口問題研究所に勤務。2010年より社会保障応用分析部長。2015年4月より現職。専門は、貧困、社会的排除、社会保障、生活保護。社会保障審議会生活保護基準部会委員、男女共同参画会議環境・影響評価委員会など。
著書に、『子どもの貧困ー日本の不公平を考える』(岩波書店、2008年)、『弱者の居場所がない社会』(講談社、2011年)、『子どもの貧困Ⅱ―解決策を考える』(岩波書店、2014年)、『生活保護の経済分析』(共著、東京大学出版会)にて日経経済図書文化賞受賞。
<ご参考>TOKYO FM 「
未来授業~明日の日本人たちへ」