石井 貴基（いしい たかき） 氏 株式会社 葵（アオイゼミ）代表取締役

＜プロフィール＞

福島大学卒業後、リクルートを経てソニー生命保険へ入社。ソニー生命時代に、ファイナンシャルプランナーとして年収120万円のシングルマザー世帯から年収2,000万円のドクター世帯までの家計を幅広く見ていたときに「子どもの教育費負担が重すぎる」と課題に感じ、2012年に無料で学べるオンライン学習塾「アオイゼミ」を起業。現在では40万人以上の中高生が使うサービスに成長。

＜要旨＞

オンライン学習塾「アオイゼミ」は、無料で授業動画を視聴でき講師と双方向のやりとりができるユニークな学習スタイルが支持され中高生47万人が受講。
英語・国語・数学・社会・理科などの教科学習に加えて、大学や企業との「コラボ授業」を行っていることも特長のひとつで、中高生が将来のキャリアを考える上で、視野が広がるような授業コンテンツに力を入れていることをお話しいただきました。
教育支援にはトップエリートを育てること、ボトムアップを図ることの二つの側面があり、アオイゼミではボトムアップを図るためにエントリーハードルを下げているが、それでもつながれない子どもたちに対しては、ＮＰＯと連携して知らせていくことが必要といった課題を共有しました。

森山 誉恵（もりやま たかえ） 氏 認定NPO法人3keys（スリーキーズ） 代表

＜プロフィール＞
慶應義塾大学法学部卒業後、子どもたちの生まれ育った環境によらず、必要な支援が行き届くことを目的にNPO法人3keysを設立。代表理事兼職員。東京都共助社会づくりを進めるための検討会委員。全国子どもの貧困・教育支援団体協議会幹事。現代ビジネスでの連載をはじめ、子どもの格差の現状を講演・執筆・メディアなどで発信中。

＜要旨＞

3keysは 虐待や孤立などで頼れる大人が少ない子どもたちへの学習支援事業、相談・総合支援事業、一般の大人向けの啓発事業を行っているNPO。
学習支援としては、東京、横浜の約20施設と連携し、小中高生に個別支援を行っており、子どもたちに継続的に関わることが学習意欲向上や学習習慣につながること、大学等への進学を志す子どもには、学習塾と連携して学習指導を行っているという状況をお話しいただきました。
営利・非営利を問わず、子どもたちの格差を解消するためのサービスや取り組みはたくさんあり、支援を必要とする子どもたちに届けきるための仕組みづくりが必要という課題を共有しました。

＜参加者の感想＞

・アオイゼミの社会課題に対して事業を通じて解決していくという使命感に感銘を受け、3keysが支援の届いていない子どもたちに様々なアプローチで支援の手を届けているのがよくわかりました。

・子どもたちに対する支援は点で行われていることが多く、効果的なものとは言えない。可能性を信じて、まずは我々の特性を生かした支援を行いたいと感じた。自社が連携している多くの団体をつないでいきたい。

・子どもたちと社会を、多様な形、多様な場でつなぐことができたら、子どもたちの前向きな意欲を高めることができるのではないか、音楽や歌、演劇など楽しいものでつながることも良いのではないだろうか。