定例セミナー
第439回
児童養護施設と里親家庭の連携で子どもたちを支える
~「デザイン思考」も取り入れて課題解決に導く事例などに学ぶ~
主催:公益社団法人日本フィランソロピー協会
会場協力:日鉄興和不動産株式会社

実の親と暮らすことが困難な状況に置かれている子どもたちが増加している中、子どもたちの健やかな成長のためには、特定の大人との愛着関係を築ける「家庭養育」(里親やファミリーホームなど)が重要であるとされ、政府も推進しています。
しかし実際に里親に委託される子どもの数は、政府の目標値にはるかに及んでいません。
今回のセミナーでは、家庭養育に関する国内外の研究・エビデンスに基づいた実践支援や課題など、里親養育の現状と推進の可能性について学びます。
「デザイン思考」や「ジャーニーマップ」といったビジネスの手法が、里親養育推進の現場で活用されている例など、企業の社会貢献活動を、より有効性のあるものへと進化させるためのヒントを探ります。
開催概要
日時:
2025年11月18日(火)15時 ~ 17時
(会場は 14:40 受付開始、オンラインは 14:50 接続開始)
形式:
ハイブリッド開催(会場での対面形式とZoomによるオンライン形式)
・アーカイブ配信はありません。
・オンライン参加のZoom URLはお申し込み後、当日までにお送りいたします。
会場:
日鉄興和不動産株式会社(東京・溜池山王)
<所在地>
東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
<最寄駅>
東京メトロ
銀座線・南北線「溜池山王駅」直結
千代田線・丸の内線「国会議事堂前駅」直結(改札内で「溜池山王駅」とつながっています。)
日比谷線「神谷町駅」徒歩10分
<案内図>
こちら をご参照ください。(赤坂インターシティAIRのHPに移動します。)
定員:
会場:40 名、オンライン:80 名
・お申込み締切:2025年11月14日(金)17:00
・定員に達し次第締め切らせていただきます。
参加費:
一般 5,000円
会員 2,000円
学生 1,000円
※ お二人以上で参加される場合も、必ずお一人ずつお申し込みください。
※ 会員とは、当協会 会員企業 の役職員 および 個人会員(年会費12,000円)のみなさまです。
※ 会場参加、オンライン参加とも同額です。
※ 当日のキャンセルにつきましては、キャンセル料として参加費全額を申し受けます。
すでにお支払い済みの場合も、返金や別の開催日への充当ができませんので、ご了承ください。
登壇者:
〇 上鹿渡 和宏(かみかど かずひろ)さん
早稲田大学社会的養育研究所 所長、NPO法人家庭養育支援機構 代表。
児童精神科医、博士(福祉社会学)として病院や児童相談所での勤務を経て、現在 早稲田大学人間科学学術院 教授。
施設の多機能化や英国里親研修の日本への導入、フォスタリング機関や 都道府県社会的養育推進計画の実践展開等にも携わり、こども家庭審議会社会的養育・家庭支援部会と虐待防止対策部会の委員も務める。
〇 上村 宏樹(うえむら こうじゅ)さん
NPO法人家庭養育支援機構 事務局長、 早稲田大学社会的養育研究所 総合研究機構 客員次席研究員。
一般社団法人無憂樹 代表として社会的養護の現場に支援を提供。
内容:
- 家庭養育の現状と課題
- マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンが作成した「デザイン思考」アプローチによる里親リクルート研修など企業との協働例
- 企業の次世代育成支援プログラムとしての関与の可能性
開催報告
2025年11月18日、会場およびオンラインのハイブリッド形式にて開催。会場(含む登壇者・関係者)21名、オンライン12名の方にご参加いただきました。

児童精神科医でもある上鹿渡さんからは、虐待の件数が増えており、生活の中で子どもたちをどう支えるかについて虐待の早期発見・介入や、親子分離後の社会的養護だけでなく、親子分離を防ぐ家庭支援も含めた社会的養育の仕組みが紹介された。
2023年の「こども大綱(※1)」に基づいた里親支援センターの役割、里親に責任と負担を過度に負わせないよう、児童養護施設との連携、学校や企業を含む地域や社会の協働の必要性に触れ、「子どもにとって何が最善か、ほかに方法はないかを問い続けることが大切」と述べた。
上村さんからは、中間支援である家庭養育支援機構が、子どもとその養育者への理解と産学官民連携の機会を充実させるための「フォスタリングに関する12の事業(※2)」について紹介された。
併せてデザイン思考(※3)を活用し、里親登録したいと考える潜在層へのアプローチを、より少ない労力と費用で可能にするマッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンの取り組み(※4)を事例に挙げ、「企業や団体が里親家庭を支援しやすい職場環境を整備することも重要」と語った。
質疑応答では、途中で里親登録をあきらめてしまう人への支援や、里親支援とまちづくりを掛け合わせた手法などについて議論が交わされた。 上鹿渡さんは、里親の高齢化が進む中で若い人たちへのアプローチが不可欠であること、上村さんは子どもにとって「おやすみ」と言った大人(里親)が、翌日も交代することなく「おはよう」と言える存在であり続けることは貴重であり、その関係性を継続できるような環境づくりが最重要であると述べた。
※1 こども基本法に基づき、こども政策を総合的に推進するため、政府全体のこども施策の基本的な方針等を定めるもの。(「こども大綱」本文はこちら)
※2 「フォスタリングに関する12の事業」
※3 ユーザーの視点に立ち、より良い仕組みやサービスを考案する手法
※4 マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンの取り組み「潜在里親目線での里親リクルート実現のために」
参加者の感想
- お話が上手で、とてもわかりやすかったです。ご自分の経験をもとにしたお話で、説得力がありました
- 里親制度を詳しく知りませんでしたので、今回とても勉強になりました
- 子どもや家族にとっての最善を一緒に考えて導き、寄り添う支援の形態が望まれていることがわかりました
- 自分が所属する団体で、里親制度や養子縁組の啓発活動をしています。企業との協働という視点がとてもヒントになりました
- 子どもの養育支援をしているNPOに、今までもしてきましたが、寄付を続けようと思いました
子どもたちに寄り添う里親への支援の最新情報を学び、企業のみならずそれぞれの立場で出来ることのヒントをお持ち帰りいただけましたでしょうか。また、今回のセミナーがご参加いただいた皆さまの新たなつながりの場となりましたら幸甚です。
事務局:
公益社団法人日本フィランソロピー協会
担当: 三宅 玲子(みやけ れいこ)、宇都宮 晴子(うつのみや はるこ)
TEL: 03-5205-7580 FAX: 03-5205-7585
