同校は、日ごろから、子どもたちが自ら「気づき」「考え」「実行」するようになってほしいと、地域社会とつながる様々な取組みを進めている。2008年(平成20年)に始まり、今年4年目を迎えた「どんどこ!巨大紙相撲大会」は、地域のお祭り「わいわい夏まつり」とのコラボレーションとして開催され、子どもたちによる地域社会への恩返しである。
5・6年生が中心となって企画し、弟子入り留学(職場体験学習)でお世話になっている地域の商店や公共施設の方々から協賛を募り、イベントの資材を準備するだけでなく、協賛企業の垂れ幕やチラシを作成して宣伝活動を行ない、また地域の商品を販売するブースを運営する。地域社会への恩返しを常に意識しているからこそ、東日本大震災の際には、子どもたちは仙台駅周辺で帰宅困難者となった人々への支援に積極的に参加し、またその後、5年生の子どもたちが中心となって、地域の大人を巻き込んだ募金活動へと発展した。 その想いとノウハウはしっかりと後輩たちへも引き継がれ、子どもたちを中心にコミュニティの中で善意の資金が巡る好事例である。学校長をはじめとする学校関係者、保護者、そして地域社会の人々に支えられ、そのリソースを最大限に活用して恩返しをしている子どもたちの活動に敬意を表し、「文部科学大臣賞」として称えたい。
同校は1961年(昭和36年)より生徒会による自主的な地域・社会貢献活動として「心持ち(こころもち)運動」を実施、50年にわたり伝統的な活動として継承している。
当初は、各家庭から餅を持ち寄って福祉施設等を慰問する助け合い運動として行ってきたが、近年では募金・寄付活動にも取り組み、2001年からの寄付総額だけでも120万円にのぼる。歳末募金をはじめ、焼き芋を販売した収益金の寄付とともに楽器演奏を実施したり、東日本大震災被災地の福島県新地(しんち)町立尚英(しょうえい)中学校への寄付とともに応援メッセージ入りカレンダーを制作し贈呈するなど、生徒たちの工夫は寄付先や慰問先の人たちに喜ばれている。 これらの活動を通じ、同校の指導目標にある「情操(自主性に富み心豊かな生徒)」、「友愛(自他を尊重し、ともに高め合う生徒)」の精神を育むことにつながっている。生徒が主体的に地域と関わることで、自己尊重感、有用感を育み、愛校心と郷土愛を醸成する長年の活動に敬意を表し、今後の進化に期待したい。
同校は、今や全国に広がる「空飛ぶ車いす」活動に最初に取り組んだ学校である。この活動は、地域から寄せられた中古の車いすを工業高校・大学等が修理・点検し、海外へ送るというもの。1991年(平成3年)より修理をはじめ、これまでに海外へ送った車いすの台数は1,979台。2012年度中に2,000台を目指し、油やさびと闘う日々を送っている。
日本製の車いすは、送り先の東南アジアやアフリカのものより品質が良い。しかし、チューブのタイヤでは道路事情でパンクしやすかったり、地元で盗まれることもあるため、固いゴムのもの(ノーパンクタイヤ)に付け替える。海外の利用者に思いを馳せ、地元で使い勝手が良く、できるだけきれいな状態にして送りたいと、生徒たちは活動している。 同校では「思いやりの心」で「いつでも、どこでも、普段着で」奉仕活動ができる「心豊かな技術者」を目指すという福祉教育の方針が掲げられており、「空飛ぶ車いす」活動は、まさにその方針を支えてきた実践である。 生徒たちの持つ技術力と、誰かの役に立ちたいという思いが重なり合った時、それはまだ見ぬ誰かの笑顔につながり、その想いと行動は全国に波及していった。現在、全国24都道府県で工業高校や大学など77校が活動に参加している。全国的な活動の元祖であり、しかもそれから20年以上継続している取組みに賛辞を送りたい。 |
日 時 | 2012年12月6日(木)15:00~19:00 |
会 場 | 学士会館 2階202号室 <所在地> 東京都千代田区神田錦町3-28 <案内図> こちら をご参照ください。 |
プログラム | ・15:00~16:00 贈呈式 ・16:00~17:30 受賞者のお話/受賞校の活動発表など ・17:30~19:00 懇親会(軽食) |
お問合せ | こちら から。 |
第3回 『青少年フィランソロピスト賞』 実施要項 | |
賞の目的 | ~次世代を担う青少年の寄付・募金活動を応援する~ 社会のために募金活動やボランティア活動に真剣に取り組んでいる青少年も決して少なくありません。こうした活動を広く世に知らせ、全国の学校や青少年グループがお互いに情報交換できる環境を整えることで、次世代を担う若者の豊かな心の育成と、社会参加の輪が広がることをめざします。 優良事例は、表彰式や活動発表会を通じてご紹介いたします。 |
贈呈対象 | ・社会のために寄付・募金活動をした高校生までの ・個人またはグループ(学校・学級・部活動単位も可) |
対象期間 | 2002年(平成14年)1月1日から現在 |
応募方法 | 当協会所定の応募用紙にご記入の上、ご送付ください。 応募用紙のダウンロードは、こちら から。 (自薦でも他薦でもご応募いただけます。) |
応募締切 | 2012年6月25日(月) 消印有効/募集は終了しました。 |
選考方法 | 書類審査および訪問調査(ヒアリング) |
選考基準 | ・フィランソロピー精神(人類愛)から生まれた寄付であるもの ・社会のために役立つ寄付であるもの ・寄付にあたって人々を感動させるエピソードがあるもの |
表 彰 | ・文部科学大臣賞 ・奨励賞 (いずれも賞状のみ。賞金はありません。) |
表彰式/ 活動発表会 |
2012年12月、東京にて開催予定 |
選考委員 | ・内田 貴 氏 株式会社 リコー ・阪井 嘉英 氏シャープ株式会社 ・中島 健三 氏大阪ガス株式会社 ・中村 文代 氏プルデンシャル生命保険株式会社 ・松本 明 氏大和ハウス工業株式会社 |
お問合せ | 公益社団法人日本フィランソロピー協会 『青少年フィランソロピスト賞』事務局 〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル244 TEL:03-5205-7580 FAX:03-5205-7585 E-mail: こちら のお問合せフォームをご利用ください。 |