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第229回定例セミナー報告
テーマ: 「ものづくり・技術立国を支える人材育成とは 〜松下電器産業「リスーピア」の取り組みから学ぶ〜」 |
講 師: | 下野 隆二 氏(松下電器産業株式会社 パナソニックセンター東京 リスーピア館長) |
実施日: | 2008年6月17日(火) |
会 場: | パナソニックセンター東京 1階ホール |
下野 隆二 氏 |
会場 |
日本の子ども達の「理数離れ」が言われるようになって久しい。
「理科」や「数学」に対する関心や知的好奇心が急激に薄れ、理系に進む生徒数も毎年減少を続けている。
こうした状況が国力の低下にもつながるのでは、と危惧される中、松下電器産業株式会社では「理科・数学」に特化したユニークな教育施設「リスーピア」を都内江東区に開設した。子ども達がゲーム感覚で楽しみながら理数の面白さを体験できるという、ユニークな体験ミュージアムである。
六月の定例セミナーは、同社が社会貢献として教育の分野で取り組むこの先進事例から学ぼうと、「リスーピア」での見学会を開催した。
総勢七十名余の参加者を出迎えてくれたのは、リスーピア館長である下野隆二氏。
一行はまず会議室にて、「松下電器グループの企業市民活動の概要およびリスーピア」というテーマで下野氏からお話を伺った。
「社会の公器」という言葉で広く知られる同社の経営哲学と、六十年代の大阪駅前歩道橋寄贈に始まる企業市民活動の歴史、そして現在の「次世代育成」における取り組みついて説明していただくことによって、「リスーピア」の設立の背景と使命が明確になった。つまり、日本の「ものづくり文化」を支え、かつ牽引してきた同社にとって、昨今の子どもの理数離れは非常に重要な社会的課題なのである。この十年間で工学部への志願者が半減し、技術者不足が既に現実化していることに危機感を感じた同社は、子どもの知的好奇心の向上と創造性の育成を目指して、「リスーピア」事業を立ち上げた。
「リスーピア」の企画立案から携わった下野氏は、決して大人からの押し付けではなく、子どもの好奇心が自然と湧き上がるように、「なぜ?(驚き)」→「なるほど!(学び)」→「そうなんだ(知る)」という「学びのステップ」を重視して展示作りを行なったという。そして、「学習指導要領」に準拠して内容に組み立てたことが、教師からの信頼を得て、年間四百以上もの学校に活用されるポイントとなっている。
講演後の見学ツアーでは、参加者が皆、童心帰って展示を体験し、会場のあちこちから、「え!なんで?」、「これは難しすぎる!」という声が飛び交った。
「親子で来場されると、親御さんの方が熱中してしまうケースが多いですね」とは下野氏の談。
この夏休みに、ぜひ皆さんもこの「理数」の魅力を体験しに出かけられてはいかがだろうか。 ※名称はセミナー当日のもの。松下電器産業株式会社は 2008年10月1日にパナソニック株式会社に社名を変更しています。 |
講演後の 「リスーピア」見学の様子 |
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講演後の 「リスーピア」見学の様子 |
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講演後の 「リスーピア」見学の様子 |
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