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主催 :公益社団法人日本フィランソロピー協会
共催 :アメリカン・エキスプレス財団
当協会では、米国ニューヨークにあるアメリカン・エキスプレス財団との共催で、
「NPOで働く次世代リーダーのためのリーダーシップ研修」を実施いたしました。
これは、国内に約4万あるNPO・NGOの組織基盤強化を目的として、
これからの事業運営を担う若手の職員を対象として企画したものです。
昨年3月に続き2回目となる今回は、研修生の対象を全国に広げ、各地域ブロックの中間支援組織
(せんだい・みやぎNPOセンター、大阪ボランティア協会、ひろしまNPOセンター、くまもとNPOセンター)からの
推薦を得たNPOと中央省庁および独立行政法人の若手リーダー達23名が結集しました。 |
オリエンテーション&アイスブレーキング |
清水洋氏(一橋大学イノベーション研究センター専任講師) 研修のスタート時から、4チームに分かれて、早速チームビルディング・セッションを始める。 各グループにファシリテーターが入って、早速アイスブレーキングとチームビルディングを行なう。 テーマは、「自分を振り返る:自己探求の旅」。自分の幼い頃からの思い出の写真を素材を使って、これまでのキャリアや、何故NPOでの仕事を選んだのか、 などについて語り合う。自身の内面までさらけ出すことによって、初めて会ったにも関らず古くからの友人のような信頼関係が一気に生まれた。 グループメンバーでお互いのストーリーを共有した後は、「自分史」の執筆に入った。 こうした振り返りの作業は、これからの自分が目指す方向性を考えるきっかけにもなる。 |
【理念・哲学】〜基礎講座 |
米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター長・教授) 「パラダイムチェンジとイノベーション」 初日の基礎講座では、「日本のGDPはいくらか」。いきなりこんな質問から始まった基礎講座。 即答できない研修生も多い。NPOであっても常にマクロの視点を持ち、経済や社会情勢にアンテナを張り、社会変革を目指すことが重要であるということを学んだ。 2つ目の基礎講座は、「リーダーシップ論」リーダーシップというと、組織のトップが力でチームを引っ張っていくという理解が一般的だが、そうではなく、 「強く自立した個人が集まって、イノベーションによって常に新しい価値を創造していく」という新しい組織論について、様々な事例をもとに先生から分かりやすく解説していただいた。 |
【事業遂行力】〜実務講座 |
藤原泰輔氏(株式会社ピー・アンド・イー・ディレクションズ ジェネラル・マネージャー) 実務講座T「ロジカルシンキング&問題解決の手法」 理論と実践が本カリキュラムの特色。リーダーシップ論について学んだあとは、実際に業務を遂行するうえで必要となる下記のような実践的技術について学んだ。 ワークショップでは、自分の所属する団体の「SWOT(強み、弱み、機会、脅威)」について考えてシートに書き出す作業を行なう。 「団体が抱える弱点について、改めて頭の中が整理できた」という声も。 |
田中康之氏(株式会社リンクアンドモチベーション モチベーションマネジメントカンパニー マネジャー) 実務講座U「モチベーションマネジメント」 これまでの講座で「リーダーシップとは人に影響を与える力」ということを理解したが、具体的にどのような行動によって他人を動機付け(モティベート)することが出来るか、 その基本手法について学んだ。 |
山中秀樹氏(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.副社長) 実務講座V「バナナの売り方・カードの売り方」 「カードは皆が既に持っている。これ以上必要ないといわれる。そこをどうやって営業していくか」。 理論的な満足ではなく、心で満足してもらうことによって、新たな顧客を開拓していく、という高度な営業手法についてお話いただく。 相手の気持ちを動かすことの重要性は、企業でもNPOでも同じである。セールスのトップとして実績を上げ、多くの部下を育ててきた氏ならではの営業スキルは、 NPOでもファンドレイジングや支援者獲得の場面で使える非常に有効なヒントとなった。 |
【自覚・問題意識】〜ゲストスピーカーセッション |
大竹美喜氏(アメリカンファミリー生命保険株式会社 創業者・顧問) 「アフラックの社会的使命」 元祖「社会的企業」であるアフラック社について、その創業時の様々な苦労について大竹氏よりお話いただく。 現在これだけの大企業となった同社が「最初は今の自分達と同じスタートだった」ということに皆が驚くとともに勇気づけられる内容であった。 |
菊池邦夫氏(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. グローバル・プリペイド事業部門 日本/韓国担当 副社長) 「アメリカン・エキスプレスにおけるリーダーシップとは」 アメリカン・エキスプレスでは、その企業理念の中でも、「リーダーシップ」や「チームワーク」を重視し、 独自のリーダーシップ・モデルを構築して人材育成を行なっている。本講座では、組織の全員に”その気”になってもらうのが「リーダーの使命」 であり、社員をどのように導き、成長させ、エンゲージ(意欲的に取り組ませる)させるかが「リーダーシップ」の重要な鍵であるということを学んだ。 |
エディ操氏(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 広報部 部長) 「アメリカン・エキスプレスの社会貢献活動」 NPOにとって、企業との協働も大きな課題である。アメリカン・エキスプレス社が実施している社会貢献活動における NPOとの協働プロジェクトの具体例を聞くことによって、今後企業へどのような提案をしていけばよいのか、そのヒントを得ることができた。 NPOとの恊働プロジェクト例 ・文化遺産の保護・修復 ・社員のボランティア活動 ・次世代リーダーの育成プログラム(本事業) ・顧客(カード会員)のポイントを活用した社会貢献プログラム |
嵯峨生馬氏(NPO法人サービスグラント 代表) 実践事例紹介「2010年はプロボノ元年〜新しいNPOのビジネスモデルを探る〜」 実際にNPOを立ち上げて、社会的な影響力を与えている実践者として、嵯峨氏からお話を伺う。 NPOの現場を熟知した氏からは、「負けないNPO10か条」が紹介され、研修生皆が大きくうなづく場面も。 |
兼元 謙任 氏(株式会社オウケイウェイブ 代表取締役社長) 「夢も大切だけどお金も大事」 日本初、最大級の集合知であるQ&Aサイト「OKWave」の運営を行なっている兼元氏から、ホームレスから企業経営者となった自身の経歴や、 ITを活用した全く新しいタイプのビジネスを生み出した革新的発想の生み出し方についてお話いただいた。 |
グループワーク・フィールドワーク |
夕食の交流会終了後、早速小会議室に分かれてグループワーク。課題として与えられたテーマは、
「架空のNPOを作り、重要な社会的課題を解決するための企画を立案し、企業のCSR・社会貢献担当者へ提案を行う」というもの。
最終日のプレゼンテーションへ向けて、深夜まで議論が続いた。
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「ビッグイシュー道端留学」 最終日は、朝7時半にチェックアウトして、いざ街中へ。ホームレスの人と一緒に「ビッグイシュー」を販売するという屋外活動である。 「ビッグイシュー」は、300円の代金のうち、160円が販売者の収入となる。グループ毎に新宿、荻窪などの駅前に立ち、販売することの難しさを実体験した。 |
課題プレゼンテーション |
道端留学のあとは、会場をアメリカン・エキスプレスの会議室(荻窪)へ移し、いよいよ2日間のグループワークの成果発表会。 夜を徹して練り上げた企画案を、10分の持ち時間でプレゼンテーションを行なった。 「予算の積み上げが甘いのでは」、「協賛する側のリスクについて詳しく説明してほしい」など、審査員から厳しい質問が次々と出される。 |
【課題プレゼンテーション】審査員 |
・米倉 誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター長・教授) ・エディ 操氏(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 広報部 部長) ・金村 俊治氏(パナソニック株式会社 社会文化グループ 参事) ・嶋田 実名子氏(花王株式会社 CSR推進部長(兼)社会貢献部長) ・高橋 陽子(公益社団法人日本フィランソロピー協会理事長) |
【行政関連団体】 |
・厚生労働省 年金局事業企画課 ・文部科学省 生涯学習政策局 生涯学習推進課 ・文部科学省 生涯学習政策局 男女共同参画学習課 ・独立行政法人 国際協力機構 |