企業フィランソロピー大賞 贈呈企業一覧

2003年 第1回贈呈企業

企業が本業を通じ、新たな社会創造のために
一石を投じた行動を顕彰する
第一回『企業フィランソロピー大賞』

企業フィランソロピー大賞
株式会社 木の城たいせつ
贈呈理由:

「地産地消」の考えを実践すべく、北海道の森林育成に始まり、製材から住宅建設まで、木と住宅のライフサイクルを自社で一貫経営し、地域資源活用型のビジネスモデルを確立した。
また、通年施工・通年雇用を実現することで、冬は失業保険で暮らすのが常識だった道内建設業界関係者の意識を変革し、経済社会モラルの向上に貢献。さらに、毎年繰り返されてきた落氷雪事故を解消するため、いち早く「無落雪建築」の専業化を宣言し実践した。
これらの先駆的な取り組みを「株式会社 冬総研(ふゆそうけん)」(同社シンクタンク部門)を通じて、世界規模で広めるなど、「波及性」においてもその努力は顕著である。

プロジェクト内容:

地元北海道産の木100%活用による、健康100年住宅づくりを通じた、地域循環自立型産業の実践。


特別賞
【コミュニティ・フィランソロピー賞】 株式会社 アモール・トーワ
贈呈理由:

顧客を大型店に奪われ、シャッター通り化しつつあった地元商店街を再活性化させるために商店主が共同で株式会社を設立し、廃業した個人店舗を再利用して、宅配弁当や学校給食、学童保育と事業の幅を広げ地域サービスを徹底した。また、新たな雇用を創出し、地元の人たちの「コミュニティ」崩壊をくい止めようとする「社会性」が地元を支え、地元に支えられている。

【企業市民賞】 富士ゼロックス株式会社・『拡大教科書』製作支援サービス
贈呈理由:

大企業(社員14,000人)ながら、経営者の社会貢献に対する強い理念や戦略が、社員レベルにまで浸透しており、企業活動と社会貢献が表裏一体のものであるという意識が感じられる。こうした企業風土の中で、当該プロジェクトは、社会貢献担当部署ではなく、営業の第一線である全国の販売ショールームが活動拠点となり、同社の販売子会社を巻き込んで実践・継続されていることが「企業市民」として高く評価される。

【リレーションシップ・バンキング賞】 西武信用金庫
贈呈理由:

地域企業の技術や商品を紹介しマッチングする「西武ビジネスフェア」(本年出展231社、有効商談件数47件)、地域密着型事業をサポートする「西武インキュベーションオフィス」「TAMAファンド」など、金融機関の社会的責任が問われる中で、脱担保主義を掲げて「産・官・学・金」の中核として地域再生に尽力している。また、企業の将来性を見極め、ともに知恵を出し汗を流す行員の能力開発・人材育成に注力し、資金はないが優れた技術力を持つ企業育成のために、地域金融機関として貢献して行こうとする理念と実践が高く評価できる。


贈呈式・創設記念シンポジウム
贈呈式
13:30〜15:00

贈呈式および受賞企業によるプレゼンテーション

  • 〔企業フィランソロピー大賞〕株式会社木の城たいせつ
  • 〔特別賞/コミュニティ・フィランソロピー賞〕株式会社アモール・トーワ
  • 〔特別賞/企業市民賞〕富士ゼロックス株式会社「拡大教科書」製作支援サービス
  • 〔特別賞/リレーションシップ・バンキング賞〕西武信用金庫
シンポジウム
13:30〜15:00
  • <基調講演>
    15:15〜16:00 「会社はこれからどうなるのか」
    岩井 克人 氏(東京大学大学院経済学研究科教授)
  • <パネルディスカッション>
    16:00〜17:30 「これからの企業に求められるもの」
パネリスト
  • 石川 好 氏(作家・秋田公立美術工芸短期大学学長)
  • 西崎 哲郎 氏(KPMGフィナンシャル株式会社 理事長)
  • 高 巖 氏(麗澤大学国際経済学部教授 企業倫理研究センター長)
  • 松島 茂 氏(法政大学経営学部教授 元通産省中部通産局長)
コーディネイター
  • 野中 ともよ 氏(日興フィナンシャル・インテリジェンス株式会社 理事長)

※ 終了後、17:30〜19:00までプレスセンター内「アラスカ」にて懇親会がございます

『企業フィランソロピー大賞』の創設にあたって ・・・・・・・・・
2003年5月 社団法人 日本フィランソロピー協会 理事長  高 橋 陽 子

社団法人日本フィランソロピー協会は、民主主義の健全な育成をミッションとして、フィランソロピーがその原点になるという視点で、個人の社会参加と企業の社会貢献を推進してまいりました。
阪神淡路大震災を機に個人のボランティア活動が大きな広がりを見せ、また企業は、長引く不況の下でも、従来の経済的側面だけでなく社会的側面においても評価されるようになり、21世紀の企業の社会的責任のあり方を模索し始めました。企業フィランソロピーも各社それぞれの特徴を出しNPOなどと協働しながら、社会のニーズに、より的確に応えるべく努力しておられることを実感しております。
しかしながら、その一方で、企業の不祥事は後をたたず、各地域の社会・自然環境の悪化は、企業や個人の善行のみではとどめることができないところにまで来ているという厳しい現実があります。

このたび、本業を通じて、社会正義や社会(地域)再生のために一石を投じた企業を顕彰する「企業フィランソロピー大賞」を創設することにいたしました。
フィランソロピーという言葉は、一般的には「社会貢献」と理解されていますが、本来は「人間愛」「博愛」を根幹に据え、社会の問題解決のために根本的な原因を探り、問題そのものを解決する方策を考え実行するという思想に裏付けられたものを言います。
この賞は、本業とは一線を画した社会貢献活動に焦点をあてて顕彰するものではなく、本業が関わってこそ可能な、社会問題解決あるいは未来に向けて、新たな社会の価値創造のための企業行動や宣言、プロジェクトに焦点をあてた賞といたします。
この賞を通じて、誇りと使命を賭け、社会の進むべき方向性をリードする企業の勇気と英知を称え、こうした企業を広く世に示すことで、21世紀の公正で活力ある社会をめざすことを目的といたします。

つきましては、本賞の趣旨をご理解いただき、奮ってご応募・ご推薦下さいますようお願い申し上げます。