2007年 第5回贈呈企業
〜CSRのベストプラクティス〜
本業を通じた企業の社会貢献活動を顕彰する
第5回『企業フィランソロピー大賞』
企業フィランソロピー大賞
株式会社滋賀銀行
贈呈理由:
地球温暖化をはじめとする環境問題への関心が高まりを見せている中、環境経営を経営理念の重要項目として位置づけ、環境金融の先駆けとして金融界、経済界に多大な影響を与えた。不況下の1999年に「クリーンバンクしがぎん」構想を打ち出し、多くの環境商品の開発と販売に加え、金利面での優遇措置、さらに「しがぎん琵琶湖原則」により取引先企業の環境格付けを行うなど、CSRを実効的に推進するため、経営哲学に則り、それを着実に事業そのものに反映させたことは特筆に価する。役職員をはじめ全従業員が環境について考え、行動し、琵琶湖畔の清掃をはじめ、地球温暖化ガスの削減にも積極的に取組み、目標以上の成果を挙げているなど、不断の努力によって常に社会をリードする経営を実践している行動力も評価される。
活動内容:
環境を主軸としたCSR経営を実践
特別賞
【企業市民大賞】 松下電器産業株式会社
贈呈理由:
子どもたちの理科、数学に対する関心、知的好奇心が薄れている状況は日本の国力低下に直結することを危惧し、理数の魅力を体験できる体験型ミュージアム「リスーピア」を開設、既に30万人以上の参観者を数えている。日本の盛衰にも関わる重要課題に向けた企業意識の高さと、子ども達に理科、数学に関心をもち、その楽しさを実感させるため、高度に工夫された「リスーピア」の試みは高い社会性を有している。また、こうした難しい課題に企業としてどう取り組むか、また学校教育や社会教育とどう連携していくのかなど、さまざまな可能性を示すモデルとしての意義も大きい。
活動内容:
理数の魅力、体験ミュージアム「リスーピア」の開設
【地球環境賞】 大和信用金庫
贈呈理由:
全国の一級河川の中でもワーストと評価されていた大和川の水質改善プロジェクトに取り組み、着実にその成果を上げている。大和川の水質汚染は生活排水によるところが大きいことを周辺住民に認識させ、多くの人々が環境問題に関心を持ち、水質改善運動に参加することを推進している。このプロジェクトは大和川の水質改善への関心を高め行動することをきっかけに、住民の地域への責任、社会参加のための啓蒙活動としての意義が大きい。地域に密着した金融機関の地元産業・地域住民への影響力の大きさを鑑み、その責任の重大さをトップはじめ全従業員が強く認識・推進している姿勢に今後の期待がさらに膨らむ。
活動内容:
大和川の水質改善への取組み
【社会共生賞】 ヤマト運輸株式会社
贈呈理由:
障害者に就業機会を提供し、仕事をすることの喜びを与えていると共に、仕事が出来ることによる生活への自信を持つ機会を提供し、人生を希望のあるものに変えている。さらに、地域の人たちが彼らと日常的に接し、彼らの働く姿に身近に触れることで、「共に生きる」という意味を現実のものとして実感できる機会を提供している功績は大きい。また、このプロジェクトは障害者と健常者を差別しない、本業に取り組まれた社会貢献のあるべき姿を示しており、一つのビジネスモデルを示したものでもあるといえる。「すべての人にやさしい企業」を標榜する同社の、共生哲学から生み出された活動として高く評価できる。
活動内容:
障害者によるクロネコメール便配達
【子どものこころ育成賞】木下サーカス株式会社
贈呈理由:
サーカス公演の収益の一部をタイ政府に寄贈、1千万円に達した時、「象の病院」を開設、同所では象の保護、繁殖、傷病手術、研究などが行われている。ややもすれば、有機的な温かさに欠けた昨今の子どもたちを取り巻く環境は、その心の健全な育成を阻んでいる。サーカスの観覧や動物との接触は子どもたちにファンタジックな夢を与えると共に、公演会場での象と一緒の記念撮影で得た収益と顧客からの寄付などが病院運営の資金に充てられていることで、子どもたちが象に感謝をする気持ちを育んでいる。デジタル機器に凌駕されそうな現代の子どもたちの心に、人と動物の温もりのある交わりと楽しみを与え続けている同社の貢献を称えるものである。
活動内容:
象の病院【キノシタ・エレファント・ホスピタル】