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青少年の寄付・募金・ボランティア活動を顕彰する「青少年フィランソロピスト賞」は、全国より53件のご推薦をいただき、選考委員による書類選考およびヒアリング選考を
経まして、下記の通り、受賞者が決定しました。
贈呈式は『まちかどのフィランソロピスト賞』と同日開催いたします。
「青少年フィランソロピスト賞」
- 【文部科学大臣賞】
大阪府立長吉高等学校/大阪市平野区 - 【奨励賞】
大阪府立東住吉高等学校/大阪市平野区 - 【奨励賞】
長野県立大町北高等学校/長野県大町市 - 【奨励賞】
東京都江戸川区立小学校/東京都江戸川区 - 【奨励賞】
東京国際学園高等部/東京都渋谷区
日時 | 平成22年12月2日(木) 15:00〜18:00(受付開始 14:30〜)
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会場 | 日本プレスセンタービル10階ホール (東京都千代田区内幸町2-2-1 TEL 03-3580-1581) |
贈呈理由
【文部科学大臣賞】 大阪府立長吉高等学校
長吉高等学校は1998年より「チャリティリレーマラソン」を実施し、ネパールの子どもたちの就学支援を行なっている。チャリティリレーマラソンは1キロを1円換算で、
スポンサーに1口100円の寄付を募り、ランナーは襷をつなぎながらゴールを目指すもの。その累計は約800万円にのぼり、今日までに小学校4校を建設、300名近くのネパールの
子どもたちに奨学金を贈っている。
同校は中国からの帰国生を積極的に受け入れるなどアジアとの交流を大切にしてきた。1997年、当時の校長が亡くなった際には香典はすべてネパールの学校建設に充てられた。
この出来事を機に、校長の遺志を継いでネパールの子どもたちの奨学支援を行なうようになった。
1998年と2001年には和歌山県潮岬から京都府丹後半島の経ケ岬までの500キロを走る「チャリティ日本横断リレーマラソン」を実施。市町村や学校に立ち寄りネパールの教育状況を
訴えながら走り続け、集まった寄付金480万円でネパールに4校の小学校を建設した。その後、「学校があっても、学費が払えないため通えない」という子どもたちの現実を知り、
1999年からは、文化祭で奨学金を贈るための「チャリティ24時間リレーマラソン」を実施。集まった寄付金で20名分の奨学金を贈ったことを機に奨学基金「ジャパン ハイスクール スカラシップ」
(運営:NGOラルパテの会)を設立した。
2002年からは、夏休み期間を利用して「チャリティ・ツアー・オブ淡路島250キロ」をスタート。他校にも参加を募り、大阪府内の参加校4校と3日間かけて、淡路島の高校4校に
立ち寄りながら寄付を呼び掛けている。これら二つの活動には毎年、有志の生徒、教員、OB、PTA等、500名が参加。長時間走り続ける生徒たちの安全と成長を見守る大人、
同じ目標に向かって力を合わせる仲間、多くの人の思いと行動がネパールの子どもたちの就学支援として実を結んでいる。
生徒たちの思いが周囲の人の心を興し、活動を広げてきた過程は、若者の心に灯を灯すものとして大いに称賛されるべきものである。文部科学大臣賞として称え、広く世に示していきたい。
【奨励賞】 大阪府立東住吉高等学校
東住吉高校では、2007年よりネパールの子どもたちへ奨学金を贈る「チャリティ100qリレーマラソン」を実施。
ランナーは襷をつなぎながら1周250mの校庭をリレーでつないで400周し、スポンサーから1qにつき1円換算で1口100円の寄付金を募る。寄付金は奨学基金
「ジャパン ハイスクール スカラシップ」(運営:NGOラルパテの会)を通してネパールの小学生に贈られ、これまでに85人の子どもたちが学校に通っている。
2007年、長吉高等学校より赴任してきた教諭から「ネパールでは学校数が足りない上、多くの子どもたちが貧困のために学校に通えず、小学校を卒業できるのも4人に1人」
と教わったことをきっかけに、「自分たちもできることをしたい」とボランティア部、生徒会を中心に「チャリティ100qリレーマラソン」実行委員会が立ちあがった。以来、
毎年一回、有志の生徒、教員、PTA、近隣住民など約2,000名あまりが参加する地域行事として定着している。
特筆すべきは、実行委員会メンバーらが校内や駅前での募金活動をはじめ、近隣の商店を一軒一軒訪問し、趣旨を説明しながら依頼していることにある。2007年は約10万円、2008年は約20万円と支援の輪は
年々広がり、昨年の協力店舗は約140店、30万円近くが集まるようになり、地域での支援の輪が広がっている。
生徒たちのまっすぐな行動力と、新しいことへ挑戦する勇気、周囲を動かすための知恵と工夫が生徒自身の自信につながり、地域そのものを温かく活力あるものにしている。
次世代を担う若者たちに大きな希望を与えるものとして称賛に値する。
【奨励賞】 長野県立大町北高等学校
大町北高校は、1985年から「アジア・アフリカ難民支援運動」として、主にマリ共和国への物資寄贈を25年間、継続している。生徒が各家庭から回収した段ボール箱で
200箱分もの物資とともに手紙を贈っている。
1985年に、当時の3年5組の生徒が学園祭でバザーの売上の使い道を検討し、大町市民から回収した12,000枚の風呂敷を
アフリカに送ったところからスタートして以降、全校の生徒が参加する活動となっている。生徒は班ごとに大町市内の2,000軒以上の各家庭を個別訪問し不用品を回収、
その選別や箱詰めなども分担し、輸送費は、文化祭のバザーの売上金から調達している。
また、2001年には、バザーの売上の繰越金170万円で、マリ共和国のジャラブグ村に水を引くためのポンプを送った。生徒の自発的な意思を、地域の人々、学校、親が応援する形
となり、地域全体で取り組む活動となっている。生徒たちの素直な思いと自発性が如何なく発揮された好例であり、また、身近な学校生活の中で可能な活動であり、多くの
学校に広められるものであるとともに、その献身的な努力とチームワークは大いに称賛されるものである。
【奨励賞】 東京都江戸川区立小学校
東京都江戸川区の公立小学校では、子どもたちの思いやりの心を育むことを目的に1979年から「お年玉募金」を行なっている。31年間の寄付金額の累計は2,000万円以上に
のぼる。
「お年玉募金」は、1979年当時の江戸川区の校長会で提案され、社会福祉協議会との連携でスタートした。参加は、各校の自由意思。各校で募金を推進する委員に
なった児童は、年明けの登校時間などに募金箱を持って校門に立ち、募金を呼び掛ける。2009年度は、13校の児童たちから18万円余の寄付が集まった。寄付金は委員が区長に手渡し
、区内の高齢者や障害者団体や施設などで活用される。子どもたちの誇らしげな笑顔が印象的だという。
この実施には、保護者の理解が不可欠であり、そのための教師の努力が見逃せない。子どもたちの、人を思いやる心、自分たちの地域を愛する心を醸成するものとして、
重要な教育活動にもなっている。 今、失われつつある助け合いの心がコミュニティの再生を可能にする。子どもたちの素直な思いと行動、それを支え続ける小学校の教育力に
敬意を表する。
【奨励賞】 東京国際学園高等部
東京国際学園高等部は、1996年より、貧困に苦しむラオスの子どもたちを支援する活動をスタート。フリーマーケットや募金活動ですでに6つの学校を建設(一校の建設費用
は約350万円)。また、イベント等を通じて、多くの人にラオスの現状を知らせている。
同校は、不登校の生徒や在来の学校になじまない生徒を受け入れて教育する高校。各クラスの国際交流委員が中心となり、文化祭のクラス模擬店やバザーの収益、フリーマーケットなどに
参加した収入に加え、全クラスに募金箱を設置したり街頭募金をするなどし、建設資金を集める。日頃から文房具類も集め、ラオスの学校に寄付をしている。また、2007年と2010年に代々木公園で
「ラオスフェスティバル」も開催し、収益金を寄付している。生徒の中から毎年30〜40人がラオスの現地を訪問する。活動の委員を務める生徒からは、「貧しくて学校に行けない子が多いラオスについて知ったことで
、自分のことを考えるきっかけになった」という感想もあり、今後とも活動は継続していく予定だ。
自らの有用感、自己尊重感を醸成するものとして、生徒の成長も著しい。等身大の自分自身から出発した活動の実績と努力に心から敬意と称賛を贈るものである。