連続セミナー

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Latest Update:2022.1.25
連続セミナー
第2期(2021年度)第5回
社会課題のリアルを学ぶ~NPOの活動を通して~
~8回シリーズ(予定)
主催:公益社団法人日本フィランソロピー協会
助成:公益財団法人JKA
2021年度JKA補助事業「児童、高齢者、障がいのある人が相補的に関わることのできる地域共生型社会づくりを促進する活動、調査・研究等」
NPOやソーシャルビジネスは、従来のやり方では対応しきれない、社会の多様なニーズに、先駆的に取り組むことから、改めて注目を集めています。ただ、こうしたセクターは慢性的な資金不足や人手不足という課題を抱えています。そのため、社会経験と人間性を兼ね備えた企業人やシニア層の積極的な参画が期待されています。
 
本連続セミナーでは、社会のために自らを役立てたいと願う企業人、シニア層が、社会貢献活動を始める前段階として、社会課題の実情を知る機会を提供します。また、どのような場面で、社会人の参画が求められるのかを理解することで、実際に参画していくきっかけを見つける場ともなります。
2021年10月から2022年2月にかけて全8回のセミナーを予定しています。
開催方式:
ビデオ会議システム『Zoom』を使ったオンラインで開催いたします。
『Zoom』は無料でご利用いただけるシステムで、当協会から事前にお知らせするURLをクリックするだけで参加可能です。『Zoom』への接続方法は、お申込みいただいた方に別途ご連絡いたします。
 
参加費:
無料
プログラム
各回の内容および講師は変更する場合があります。
 
 
開催終了
 
開催終了/2021.1.30
<第5回>
日時:
2021年12月17日(金)18:00~18:45(17:45開場)
※講演30分、質疑応答15分
テーマ:
多様性を認め合うことのできるより豊かな社会のために~クライミングができること~
講師:
小林 幸一郎(こばやし こういちろう)さん
NPO法人モンキーマジック 代表理事
小林幸一郎氏
 
<講師からのメッセージ>
NPO法人モンキーマジックは、障害者クライミングの普及活動を通じて、障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げ、多様性を認め合うことのできる、より豊かな成熟した社会の実現を目指し、2005年から活動を続けています。
東京オリンピックの種目となり、多くの人々の目に触れることとなったクライミングですが、このスポーツの普及がなぜ多様性理解の促進に寄与できるのでしょうか? 全国各地に広がるこの活動の今と、描く未来の姿。そして多くの方々や社会に関わってもらいたい姿についてお伝えします。
 
<講師プロフィール>
1968年東京都生まれ。16歳でフリークライミングと出会う。1996年、28歳で「網膜色素変性症」という目の難病が発覚し、「将来失明する」という医師からの告知と失意の日々を送る。
2005年、37歳でNPO法人モンキーマジックを設立。2014年パラクライミング世界選手権(スペイン・ヒフォン大会)の視覚障害男子B1クラスで優勝し、現在まで4連覇。2014年、第64回日本スポーツ賞受賞。
現在、クライマーにしてNPO法人モンキーマジック代表理事、日本パラクライミング協会共同代表、視覚障害リハビリテーション協会理事を務める。
著書に『見えないチカラ 〜視覚障害クライマーが見つけた明日への希望〜』(アスペクト出版/2011年)、『見えない壁だって、越えられる』(飛鳥新社/2015年)。
 
<モンキーマジックとは>
モンキーマジックは、「見えない壁だって、越えられる。」をコンセプトに、フリークライミングを通じて、視覚障害者をはじめとする人々の可能性を大きく広げることを目的とし、活動しているNPO法人です。
障害者クライミングの普及活動を通じて、多様性を認め合えるユニバーサルな社会を実現し、より成熟した豊かな社会を創ります。
※ユニバーサルな社会とは、障害、年齢、性別、文化などの違いに関わりなく、それぞれの人が社会の一員として支え合う中で、安心して暮らし、一人ひとりが自分らしく生き、持てる力を発揮して元気に暮らすことのできる社会のことです。
・ウェブサイト:https://www.monkeymagic.or.jp/
・Facebookページ:https://www.facebook.com/npomonkeymagic
【おことわり】このページの文章表現および語句表記は、講師からの原稿をそのまま掲載しています。
 
 
開催報告
講演要旨:

どの画像も、クリックすると拡大します。
小林幸一郎さんは16歳でクライミングに出会い、夢中になりました。しかし、28歳のとき、視覚に違和感を覚え、病院で診てもらうと、「進行性の目の病気で近い将来失明する、この病気は治すことができない」と言われたそうです。マイナス思考になったものの、ケースワーカーの「大切なことは、次に何ができなくなるのかではなくて、あなたが何をしたいのか、どうやって生きていきたいのかです。それがあれば、まわりの人たちや社会の仕組みがあなたを支えてくれるはず」という言葉に勇気づけられたと言います。
 
37歳のとき、クライミングの楽しさを多くの視覚障害者に伝えるべく、モンキーマジックを立ち上げられました。パラクライミングで、2014年から世界選手権4連覇。2021年のワールドカップでも優勝。全盲ながら、今も現役選手です。
 
モンキーマジックは、「見えない壁だって、越えられる。」をミッションに、視覚障害者をはじめとする、人々の可能性を大きく広げることを目的に活動しています。
 
視覚障害者対象のクライミング教室に始まり、2012年には、障害のある人もない人も一緒に参加する交流型クライミングイベントを開始。ここでは、背中に色の違うガムテープを貼って、視覚障害や聴覚障害が一目でわかるようにし、参加者同士で声をかけやすくしています。
 
すると、障害のない人は、障害のある人のことを「サポートを必要とする社会的弱者」だと思っていたのが、「一緒にクライミングを楽しむ仲間」に変わる経験をして、多様な価値観に触れます。そして、自分の生活に戻ったとき、「ユニバーサルな社会のために、自分には何ができるか」と考えるようになるそうです。
 
クライミングは、「どうしたら、あそこに到達できるだろう?」と思案し、工夫を凝らして、自分なりの方法でゴールを目指すスポーツです。クライミングのルールは、シンプルかつ自由。「赤い石だけを使って、このスタートからあそこのゴールまで登りましょう。石を両手で持ってもいいし、片手で持ってもいいし、足をどこに乗せてもいいです。何回失敗しても、何回やり直してもいいです。まずはゴールまでがんばりましょう。その次は青い石のルートを行きましょう」といったように。つまり、その人の力に応じて、誰もが楽しむことができるスポーツです。
選択肢の少ない障害者に新しい選択肢を提供すると同時に、クライミングをやり遂げたとき、失いかけていた自信を取り戻すこともできる。こうして、自分のもつ可能性に気づくことになると小林さんは言います。
 
障害のある人も高齢者も、大人も子どもも、運動が得意でない人も、言葉が通じなくても、みんなで一緒に楽しむことができるため、交流型イベントを通じて多様性への理解が進み、より成熟した社会をつくるきっかけとなると小林さんは考えます。クライミング空間は、あるべき社会の縮図なのです。
 
多くの人が交流型イベントを体験して、モンキーマジックの思いの実現のために一緒に行動してくれる“賛動者”となることを希望しています。このスポーツを文化として根づかせるため、いずれ全国47都道府県のすべてで、イベントを開催できるようにしたいと述べられました。
 
「いいことは続きにくいけど、楽しいことは続く」という考えのもと、特別な何かをするのではなく、クライミングを楽しみながら、社会をよくしたいという思いが広がることを小林さんは願っています。
2019年の活動実績
障害者クライミング教室 開催数  0,048回
参加者  0,219名(障害者178名)
首都圏域の交流型クライミングイベント
(モンキーマジック主催)
開催数  0,032回
参加者  0,630名(障害者301名)
地域交流型クライミングイベント 開催数  0,128回(14地域)
参加者  1,530名(障害者445名)
 
講演内容は、こちら から動画でもご覧いただけます。
以上
 
 
事務局:
公益社団法人日本フィランソロピー協会
担当: 大倉 寿之(おおくら ひさし)、宮本 栄(みやもと さかえ)
TEL: 03-5205-7580 FAX: 03-5205-7585 Emailは こちら から。
「社会課題のリアルを学ぶ~NPOの活動を通して~」おわり
受付開始:2021.11.05
セミナー開催:2021.12.17
開催報告掲載:2022.01.25
最終更新:2022.01.25
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