連続セミナー

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Latest Update:2022.02.25
連続セミナー
第2期(2021年度)第6回
社会課題のリアルを学ぶ~NPOの活動を通して~
~8回シリーズ(予定)
主催:公益社団法人日本フィランソロピー協会
助成:公益財団法人JKA
2021年度JKA補助事業「児童、高齢者、障がいのある人が相補的に関わることのできる地域共生型社会づくりを促進する活動、調査・研究等」
NPOやソーシャルビジネスは、従来のやり方では対応しきれない、社会の多様なニーズに、先駆的に取り組むことから、改めて注目を集めています。ただ、こうしたセクターは慢性的な資金不足や人手不足という課題を抱えています。そのため、社会経験と人間性を兼ね備えた企業人やシニア層の積極的な参画が期待されています。
 
本連続セミナーでは、社会のために自らを役立てたいと願う企業人、シニア層が、社会貢献活動を始める前段階として、社会課題の実情を知る機会を提供します。また、どのような場面で、社会人の参画が求められるのかを理解することで、実際に参画していくきっかけを見つける場ともなります。
2021年10月から2022年2月にかけて全8回のセミナーを予定しています。
開催方式:
ビデオ会議システム『Zoom』を使ったオンラインで開催いたします。
『Zoom』は無料でご利用いただけるシステムで、当協会から事前にお知らせするURLをクリックするだけで参加可能です。『Zoom』への接続方法は、お申込みいただいた方に別途ご連絡いたします。
 
参加費:
無料
プログラム
各回の内容および講師は変更する場合があります。
 
 
開催終了
 
開催終了/2021.1.30
<第6回>
日時:
2022年1月14日(金)18:00~18:45(17:45開場)
※講演30分、質疑応答15分
テーマ:
水の世界もバリアフリーに!~障害者も健常者もともに楽しめるプールを実現したい~
講師:
岡崎 寛(おかざき ひろし)さん
認定NPO法人プール・ボランティア 理事長
 
織田 智子(おだ ともこ)さん
事務局長
岡崎寛・織田智子
 
<講師からのメッセージ>
2021年の夏は、東京オリンピック・パラリンピックで日本選手団の活躍をご覧になって感動された方も多いのではないでしょうか。でも、彼らも最初からトップ選手だったわけではありません。
障害のある人たちが、もっと身近に水泳を楽しむことができたら、どんなにすばらしいでしょう。でも、水の世界には、まだまだバリアがいっぱいあるのです。
それらを、一つひとつ取り除いて、誰もが安心して、安全にプールを楽しめる社会を一緒に目指しましょう。
 
<講師プロフィール>
岡崎 寛:同志社大学法学部卒 65歳
41歳の時に脱サラし、織田ちゃんとともに、プール・ボランティアを設立する。日本赤十字社水上安全法、同救急法名誉指導員。日本水泳連盟上級水泳教師、同上級コーチ。昔ライフセーバー、昔トライアスリート、昔競泳選手ほか。
 
織田智子:学歴・年齢不詳
日本赤十字社水上安全法指導員、同救急法指導員、同健康生活支援指導員、同幼児安全法指導員。昔飛込競技選手ジュニアオリンピック富山県代表、元専門学校パソコン講師、DTPデザイナー、元デパガ。
 
<プール・ボランティアとは>
「障害者も健常者もともにプールを楽しめる社会を!」(定款第3条)
認定NPO法人プール・ボランティアは、1999年に大阪で設立された日本で最も古いスポーツNPO、事業型NPO法人です。「水の世界もバリアフリーに!」を合言葉に、現在、大阪市を中心に市民プールで、毎年、のべ約4,000名の障害者に、泳げるボランティアがマンツーマンで水泳指導やプール・リハビリをしています。
他にも、企業やプールの指定管理者を対象に「障害者対応研修」を開催し、障害者のプール利用についての理解を深める活動やプール・オンブズマン活動もしています。また、日本で初めてのプール専用車イスの製作や、重度身体障害者のための浮き具「うきうきくん」なども製作販売しています。
2018年度からは、東京都から特別な許可を得て、「ヘルプマーク・スイムキャップ」を全国に無償配布しています(配布総数1000枚超)。
受賞歴は、第7回スポーツ振興大賞(2019年)、読売福祉文化賞2020年、第73回保健文化賞(2021年)など多数あり、保健文化賞では皇居にて天皇、皇后両陛下の拝謁を賜る予定です。
大阪マラソンの寄付先団体に5年連続採択されています。
※プール・ボランティアは登録商標です。
 
・ウェブサイト:https://www.pool-npo.or.jp/
・Facebookページ:https://www.facebook.com/poolvolunteer
・Twitter:https://twitter.com/NPO_PV
【おことわり】このページの文章表現および語句表記は、講師からの原稿をそのまま掲載しています。
 
 
開催報告
講演要旨:

どの画像も、クリックすると拡大します。
「プール・ボランティア」の立ち上げは1999年のこと。当時はNPOという言葉も社会に浸透しておらず、プール・ボランティアを利用してくれた障害者の方は初年度、わずか21名。その後、地道な努力が実って、2010年には4,000名を超えました。コロナの影響で2020年は減ったものの、回復してきています。楽しいから22年間も続けて来られました。
 
障害者専用プールは一般社会から隔離され、ノーマライゼーションに逆行するため、普通の市民プールを使って、一般市民と一緒に泳ぐスタイルにしています。近所の市民プールで、気軽に通えることを重視しているのです。安全確保のため、1人の障害者に必ず1人のボランティアがつきますが、ときには1人の重度障害者に5人がつくこともあります。気管切開している子ども、視覚障害、聴覚障害、知的障害、精神障害など、どんな障害でも受け入れています。
 
また、障害児の水着は、紺や黒色の地味なスクール水着だったり、サイズが合わなかったりする上、スイムキャップやゴーグルも使い勝手があまりよくありません。そこで、周囲の人にも注目してもらえるような、かっこいいデザインの泳ぎやすい水着を選び、ゴーグルも締めつけ感のない上質なものにしています。しかも、水着などはすべて無償貸与です。
 
ボランティアをしたい人は、ひと月500円払うシステム。これで「ボランティアし放題」です。ボランティアから「楽しかったぁ。勉強になったぁ」という声が聞かれることから、お金を払ってもらうことを考案。「ボランティアからお金も取るの?」と驚かれましたが、これによって、かえって意欲が高まり、ボランティアの質もよくなる効果が生じています。
日本全国どこから来ても交通費は一律500円の支給にしており、ソーシャルビジネスとして事業が運営できている要因のひとつとなっています。
 
泳げなくてはボランティアができないかという質問もよくありますが、プール・ボランティアでは、泳げない方も大歓迎。シャワーを浴びることの苦手な子どもや顔を水につけることのできない子どももいますから、泳がずとも、そういった子どもたちに「プールは楽しいところだよ」と伝える保育士さん的な役割も重要です。ボランティアの側にも多様な役割を設け、参加機会を広げています。
 
利用希望者はプール・ボランティアへ入会し、月19,000円の会費を払います。ただし、レッスン指導料はなく、その部分の費用はかかりません。利用者はお客さんではなく、プール・ボランティアの事業を運営していく仲間となり、会を支える経費を負担してもらうという考え方なのです。
 
・「うきうきくん」という用具について
柔らかく、形を変えられ、水はけがよい素材を採用しています。プール・ボランティアが10年かけて開発しましたが、介助者にも使い勝手がよく、支援学校の先生でも楽に重度身体障害児をプールに入れることができます。
 
・プール専用車イスについて
これもプール・ボランティアが、日本で初めて作ったものです。更衣室で着替えたあと、車いすに乗って、そのままプールに入ることができます。
 
プールの中では、手足が動かない人も、耳が聞こえない人も、目が見えない人も、周囲にはわかりにくいものです。そこでヘルプマーク・スイムキャップを制作し、無償配布を開始したところ、すぐに1,000件を超える申し込みがありました。プール・ボランティアでは、必要な方に、赤字覚悟で無償配布しています。
反響が大きく、第7回スポーツ振興大賞を受賞した際、鈴木大地スポーツ庁長官(当時)からも「いいアイディアですね。障害者スイマーもこれで安心ですね。これからも普及にがんばってください」という言葉をかけられました。
 
2021年、阪急百貨店うめだ本店で開催された『HANKYU こどもカレッジ キッズスポーツスタジアム』では、一般財団法人H2Oサンタと協力し、子どもたちに、車イスの乗車体験などを実施。子どもたちは、車イスに乗って自分で動かしてみるなど、夏休みのよい体験になると同時に、障害への理解も深まったようです。同百貨店のすぐれた取り組みの例です。
 
これからも、障害者スイミングの普及のために、おかしいと思ったことには声をあげ、仲間とともに、社会の状況を粘り強く改善する努力は続きます。また、日本の各地に姉妹校(団体)を作るお手伝いをして、水の世界のバリアフリーをよりいっそう推進する課題が残っていると、プール・ボランティアでは捉えています。
プール・ボランティアの活動の様子を、YouTube動画 でご覧いただけます。
以上
 
 
事務局:
公益社団法人日本フィランソロピー協会
担当: 大倉 寿之(おおくら ひさし)、宮本 栄(みやもと さかえ)
TEL: 03-5205-7580 FAX: 03-5205-7585 Emailは こちら から。
「社会課題のリアルを学ぶ~NPOの活動を通して~」おわり
受付開始:2021.11.05
セミナー開催:2022.01.14
開催報告掲載:2022.02.22
最終更新:2022.02.25
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